「ミニバンで積極的に雪道は走らない」と思うからこそ知りたい、人気ミニバンの4WDの実力と「実際に滑りやすい路面で使えるのか?」というポイント。
コストパフォーマンスを加味し、定番の5ナンバーミニバンの四駆性能をチェックしたい。
文:鈴木直也
ミニバンでガシガシのオフロード走行をする人はまずいないから、どこのメーカーのミニバンも、基本的にはいわゆる“生活4WD”。
雪道など、日常生活で遭遇する低ミュー路(摩擦係数が低く、滑りやすい路面)をいかに上手にこなすかがテーマとなっている。
最もシンプルなメカを採用する日産 セレナ
このなかで、最もシンプルなメカニズムで対応しているのが日産 セレナだ。
「オートコントロール4WDシステム」と名づけられたソレは、前後輪に回転差が生じた時にクラッチが作動する機械式パッシブタイプ。
昔流行ったビスカスカップリング方式と基本的に同じ原理で、後輪にトルクを伝える。シンプルで信頼性が高いのがメリットといえる。
これでも日常生活ではほとんど不満を感じることはないのだが、強いていえば前輪が滑り出してからの微妙なタイムラグや、横Gを受けながら滑り出すような複雑なシチュエーションで、細かいアレンジができないのが泣きどころ。奥様はOKでも走りにうるさいお父さんに「ダメ出し」をされたりする場合がある。
ステップワゴンは「現代の標準的生活4WD」
ホンダ ステップワゴンの「リアルタイムAWD」は、電子制御カップリングを使ったいわゆるオンデマンド4WD。
前輪が滑ってから後輪にトルクが伝わり始めるのはセレナと同じだが、電子制御だけにレスポンスに優れるし、コーナリング時のトラクション(駆動力)制御など、複雑なコントロールが可能なのも強みだ。
ただし、一般ドライバーにとってその差は微妙。氷上などの超低ミュー路だと発進時に細かい制御が働いているのがわかるが、普通の雪上だとよっぽど追い込まないとあんまり違いがわからない。
ま、必要にして充分な、現代の標準的生活4WDというところでしょうか。
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