■クラス9連覇、 連続27回完走、菅原義正氏連続35回参戦の、3つの記録更新を達成
「パリ・ダカールラリー」と聞いて胸が熱くなるクルマ好きも多いのではないだろうか。
日本メーカーが大活躍したこともあって、90年代終盤から2000年代初頭にかけて大いに盛り上がったラリーのことだ。
篠塚建次郎氏が日本人として初めて総合優勝したのが1997年、増岡浩氏が優勝したのが2002年、2003年と、今から15年前の話となる。
そんなパリダカは、現在「ダカールラリー」と名を変え、今も南米大陸で実施されている。
今回は2018年1月6日~20日にペルー、ボリビア、アルゼンチンの3ヵ国に渡って開催され、トラック部門に日野自動車が「レンジャー2台」で参戦。
その結果、菅原照仁選手(45歳)が、同部門の排気量10リットル未満クラスで優勝し、チーム史上最多となるクラス9連覇を達成した。
また、排気量が10リットルを超えるエンジンを搭載した大型トラックが上位を占める中、中型トラックである日野レンジャーの特性と豊富な経験を活かし、「トラック部門総合」でも前回の8位を上回る6位に食い込んだ。
菅原照仁選手は今回のラリーを振り返り、
「コース設定の厳しさは予想以上で、多くのチームがトラブルを抱えていました。しかし、今回の順位は相手のミスや幸運ではなく、それだけ車両が進化した成果だと思います。自分にとって20回目のダカールラリーで、このような結果を出すことが出来て良かった。現在のポテンシャルを出し切れたと思いますし、満足度は高いです」
とコメント。
また、「ダカールの鉄人」こと菅原義正氏(76歳)は、1983年にパリ・ダカールラリー(当時)の二輪部門に初参戦して以来、同ラリー史上最多となる連続35回出場の世界記録を更新。
今回はラリー序盤のステージ2において、車両が砂丘でスタックし無念のリタイアとなったが、菅原義正氏は「常々、ダカールラリーは『人生の学校』だと言ってきましたが、ラリーの神様がまだ僕を卒業させてくれないようです。
気持ちを切り替えて、次回改めて頑張ります。今回はコース設定も難しい中、照仁はよく頑張ったと思います」とコメントし、息子の成績を称えるとともに、自身は早くも次回ラリーへの参戦に意欲を燃やした。
今大会では、日野が1991年に日本の商用車メーカーとして初めて同ラリーに参戦して以来、連続27回目の完走も達成。2018年1月20日に、アルゼンチンのコルドバで行われたゴールセレモニーに駆け付けた日野の代表取締役会長、市橋保彦は、
「チームのメンバーから今回のラリーの様子を聞いて、改めてダカールラリーが『世界一過酷』であることを実感しました。そのようなラリーに、日野が27回も参戦を続けてきたことや、照仁さんがクラス9連覇を達成しただけでなく、中型トラックの日野レンジャーで海外の大型トラックと互角に戦って総合順位で6位に入ったことを、日本のトラックメーカーとして誇りに思います。これからも菅原義正さん、照仁さんと共に『チーム日野』一丸となって挑戦を続けていきたい」
とコメントした。
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