BMW、クラウンらセダンを買うならこの三択!! あの人の人生の三択も紹介

BMW、クラウンらセダンを買うならこの三択!! あの人の人生の三択も紹介

セダンがほしい。けれどないようでいろいろ種類があるのがセダンだったりします。そこで輸入車Cセグ(ベンツCクラスとかBMW3シリーズとか)の三択と、国産車でこれらか出るモデルたちの三択を決めます。さらに今回はレーシングドライバー山野哲也選手と、ベストカーでもおなじみの水野和敏さんの「人生の三択」も聞きました。クルマの三択と人生の三択、非常に大きな関連性があるような気がします。

文:鈴木直也、ベストカー編集部/写真:ベストカー編集部


■まだ出てないけど選んでおく!? 新型クラウン/新型ES/新型スカイライン(ベストカー編集部)

 この三択、なにしろ今日現在現物に乗れないため、なかなか判断が難しい。とはいえレクサスESの中身はカムリのレクサス版なので、おおよその見当は付く。

 TNGAプラットフォームのFF、2.5Lハイブリッドで気持ちのいい操縦性と広い室内空間を望むのならオススメだ。だが大型サルーンらしい貫禄というか、佇まいとなればやっぱりFRのクラウンかスカイラインかということになる。

 クラウンのプラットフォームは新開発TNGA。ショーモデルを見たかぎり低重心でフロントはダブルジョイントアームのダブルウィッシュボーンで、レクサスLS/LCと同等。

ニュルブルクリンクまで走りこんでいるという新型クラウン。どうなっていくのか楽しみであるとともに期待が広がる
ニュルブルクリンクまで走りこんでいるという新型クラウン。どうなっていくのか楽しみであるとともに期待が広がる

 直4の2.5Lハイブリッドでは動力性能に物足りなさを感じるのなら、3.5LツインターボのGRを待てばいい。それならば2020年にデビューが期待される次期型スカイラインの400ps/48.4kgm 3Lツインターボに引けを取らない。

 ということで、イチオシは新型クラウンだ。

■輸入車セダンの三択 Cクラスか3シリーズか、はたまたジュリアか?(鈴木直也)

僕の好みでいえば一番食指が動くのはやっぱり3シリーズ。別にカッ飛ばしていなくても、まるで身体の一部のようにピタっとなじむドライビング感覚は、まさに「駆け抜ける歓び」そのものだ。

ただ、3シリーズはすでに次期型が9月に登場予定で、自動車ジャーナリスト的には新型に乗ってからでないと「旧型最終モデルでも3シリーズがいいのだ!」とは言いづらい。時期的に大多数の人におすすめできるのはCクラスのほうということになる。

もはや"定番"として一番間違いのないのが3シリーズ。安全性のCクラス、官能性のジュリア、それぞれのよさがある
もはや”定番”として一番間違いのないのが3シリーズ。安全性のCクラス、官能性のジュリア、それぞれのよさがある

ひと世代前のCクラスは、3シリーズに影響されるあまり、走りのキビキビ感を過度に強調、これが個人的に好きになれなかった。が、現行モデルはベンツらしい落ち着きが復活。

プレミアムカーとしての品格はこのセグメントではベスト。その安心感がベンツらしくていい。アルファ・ジュリアはイタリア人が作った3シリーズという感じ。エモーショナルな走りを求めるならコレです。

■山野哲也と水野和敏の三択 「私の人生はあの時が転換点だった」

ここからはクルマの三択から少し外れて、ベストカーでもおなじみの山野哲也選手と、水野和敏氏の人生の三択に迫りました。両氏とも「日本を代表する」自動車業界の偉人であり、いまも現役バリバリです。

そんな活躍ができるのも人生の三択のひとつを選択できたからでしょう。当時のエピソードを振り返ります。

【山野哲也の三択】タクシードライバーも選択肢だった

僕はホンダの正社員として働きながらレース活動をしていましたが、31歳の時、将来を決断する「三択」に行き当たりました。

このままホンダで正社員として働きながらレースを続けていくか、ホンダを辞めてレーシングドライバー一本でやっていくか、タクシードライバーをやりながらレース活動を続けるか、です。

ホンダにいれば給料面での心配はないのですが、本格的にレースをやるには時間的に厳しい。ならば、クルマが大好きなのでタクシードライバーをやり、時間の融通をつけてレース活動を継続するということを考えたのです。

ですが、ホンダを辞める勇気というか、決断はなかなかできませんでした。

山野選手の恩人は高橋国光さんだったとは!! 山野選手は先日、全日本ジムカーナで前人未踏のV100を達成した
山野選手の恩人は高橋国光さんだったとは!! 山野選手は先日、全日本ジムカーナで前人未踏のV100を達成した

そんな時に声をかけてくれたのが高橋国光さんでした。国光さんも一時期ホンダの社員でありながらレース活動をしていたことがあり、自分と立場がだぶったのでしょうか、僕にチーム国光で走らないか、と声をかけてくれたのです。これが決断の大きな後押しとなりました。

小さい頃からクルマが大好きで、クルマの開発をしたくて自動車メーカーを志したのですが、ホンダにいた時期にはそれはかないませんでした。

しかし今、レーシングドライバーでありながら、各メーカーの新車開発に大きく関わる仕事ができているのは、あの時の国光さんのお誘いがあり、ベストな決断を下せたためなのです。

【水野和敏の三択】ヒュンダイなどの海外メーカーへの移籍も選択肢だった

1990年代の前半から中盤にかけて私は本気で、そのまま日産に残るべきか、オーテックジャパンに行くべきか、それともヒュンダイなどの海外メーカーに転職すべきかの「三択」を考えていたのです。

当時の日産は経営危機に瀕していて、新しい技術にトライすることをいっさい止めていた。既存の技術以外の提案をすると、学者先生が出てきて評価をするのです。

基本的にGOが出ることはなく、ほぼすべてNG。だから当時私が提案していた、次世代のサルーンに必要なフロントミドシップ後輪駆動プラットフォームは却下され、既存の直列6気筒を搭載する後輪駆動から脱却しようとする気配はまったくなかったのです。

だから正式なプロジェクトとして認められず、先行開発というかたちで細々と少人数で少ない予算のなかやらざるを得ませんでした。このままでは未来はないなと考えた私は冒頭の三択を真剣に検討し、海外メーカーへの転職を決断しかけていたのです。

水野さんがいなければFMプラットフォームもGT-Rもなかった。ゴーンの功績は大きい
水野さんがいなければFMプラットフォームもGT-Rもなかった。ゴーンの功績は大きい

その時、1998年。日産はルノーとの資本提携を受け、カルロス・ゴーンがやってきました。ゴーン改革のなかで新たな風が吹き、先行開発などから有望な技術開発が引き上げられたなかに、後にV35スカイラインとなるFMプラットフォームもありました。

一気に市販化へ向けたプロジェクトとなり、スカイライン、ステージア、そしてホイールベースを短縮したフェアレディZと展開できるプラットフォーム構想が実現しました。

もしあの時、ゴーンが日産にこなければ、私は日産を辞めていた可能性が高かったのです。

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