2021年10月7日、マツダは2022年から翌年(2023年)にかけて、クロスオーバーSUV商品群の拡充計画を発表。内容を見ると、グローバルで合計5車種の新規車種を投入することになる。今回発表された情報を整理して伝えつつ、この計画の可能性と懸念点を速報ベースでお伝えします。
文/ベストカーWeb編集部
写真/MAZDA
■およそ30年ぶりの新車攻勢!!
今回マツダが新規投入を発表したのは、クーペSUV「CX」シリーズの上級車種。2022年から2023年にかけて、グローバルで以下5車種を投入するという。マツダがこれほど短期間(約2年間)で大規模な新商品投入計画を発表するのは、1980年代末に「販売店5チャンネル化」を展開してからおよそ30年ぶりとなる。
<2022年以降導入予定のクロスオーバーSUV商品群>
商品群 | モデル | 主要導入市場 |
ラージ商品 | MAZDA CX-60 (2列シート) | 欧州、日本、他 |
MAZDA CX-70 (ワイドボディ2列シート) | 北米、他 | |
MAZDA CX-80 (3列シート) | 欧州、日本、他 | |
MAZDA CX-90 (ワイドボディ3列シート) | 北米、他 | |
スモール商品 | MAZDA CX-50 | 米国 |
マツダは今回の「新型車ラッシュ」に関して、以下のように説明する。
「これらの商品ラインアップの拡充は、ビルディングブロック戦略(※)に基づいて積み上げてきたSKYACTIV技術や一括企画、フレキシブル生産などの開発、生産の技術資産を最大限に活用することで、低投資かつ効率的に実現し、中長期におけるビジネスの安定的な成長を図ります。」
(※ 基盤となる技術群をブロックとして段階的に積み上げることで優れた技術を効率的に開発・展開する戦略)
ざっくり言えば、ひとつずつ徐々に新商品を投入していくと開発コストがかかるけれども、基幹技術を決めてそれをもとに一度に何車種か開発したほうが効率的ということのようだ。
今回発表された新規車種それぞれの方向性も明らかにされており、これまたマツダの公式見解を引用すると、以下のとおり。
「CX-50は、SUVらしい存在感やオフロード性能が求められる米国に、新たなラインアップの中核として導入するクロスオーバーSUVです。「MAZDA3」や「MAZDA CX-30」などと同じスモール商品群に属し、米国アラバマ州ハンツビル(Huntsville)市に建設したトヨタ自動車株式会社との合弁新工場「Mazda Toyota Manufacturing, U.S.A., Inc.」(MTMUS)で2022年1月から生産を開始する予定です。
ラージ商品群のCX-60、CX-70、CX-80、CX-90は、既存モデルのMAZDA CX-5や上記CX-50から上の幅広い価格帯に位置するモデルで、2つの異なるボディタイプと2列と3列の2つのシートタイプを展開します。道路や駐車場が比較的狭い欧州や日本には、2列シートのCX-60、3列シートのCX-80を、一方、より大きなサイズや存在感が求められる北米などの市場には、ワイドボディ2列シートのCX-70、3列シートのCX-90を展開し、ミッドサイズクロスオーバーSUVのラインアップを拡充させます。」
本件に関してマツダ広報部へ取材したところによると、
・5車種はいずれもマツダオリジナルの新型車種であり、たとえばトヨタからのOEM供給や提供を受ける予定はない
・現時点で日本市場へ導入予定は5車種のうち2車種だが、今後の展開はお知らせできない
・今回発表した新規車種5車種を投入したからといって、既存の車種をどれかやめる、といった予定は(現時点では)ない
とのことだった。
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