SUV優勢の時代。しかしながら昨年2017年にはカムリ(7月)、シビック(9月)が投入され、今年はクラウン(6月)、センチュリー(6月)と、日本を代表するセダンの発売が相次いでいる。
「セリカ・カムリ」なんて名前への郷愁すらいまは昔、なれども、セダンはやっぱりクルマの基本。
そこで、国沢・渡辺両氏に、今こそ選びたい国産セダンTOP5を挙げてもらった。取り巻く現状にはキビしいものがあるが、頑張れ、セダン!
※この記事は2017年8月のものです。
文:国沢光宏、渡辺陽一郎
写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2017年8月10日号
■国沢光宏が選ぶニッポンのセダンTOP5
筆頭候補はなんといってもマークXでしょう! 文字どおりSUVとまったく違う魅力を持っている。そもそもアッパーミドルクラスのセダンというだけでオシャレだしカッコいい。サスペンションに手を入れるだけで極上の乗り心地になるし、絶版確実というあたりもマークXを買う理由になると思う。加えてフル装備で300万円を下回る価格もすばらしい。
次点はアメリカで大人気のカムリ&アコード。カムリの場合、もはや新型になるけれど(2017年7月にフルモデルチェンジ)、在庫あれば現行モデルなどトラッドで雰囲気すばらしい。アコードも売れゆきという点でまったく厳しいものの、乗るといいクルマだ。新型シビックもアコードのように「いいのにね~」とならないよう頑張って欲しい。値頃感のある中古車を狙ってみるともいいと思う。
燃費のいいクルマを所望するならアテンザ。ただフルモデルチェンジが近いというウワサもある(2018年6月に大幅改良)。新型出たら、間違いなくセダンのショッピングリストの先頭に挙げたい。
そしてMIRAIをプッシュしておく。セダンとしての上質感をキッチリ持っており、乗り心地よく静か。補助金を使えば500万円級の輸入セダンと同等の御予算で購入可能。都市部に住んでいるオシャレな人にすすめたい。
■渡辺陽一郎が選ぶニッポンのセダンTOP5
SUVでは得られないセダンの価値は、全高が1500mmを下まわるボディが生み出す低重心と、後席の後ろ側に隔壁を備えたことによる高剛性だ。この2つの価値は走行安定性と乗り心地、つまり「安全を快適」を高める。
この観点でセダンを選ぶと1位はクラウンだ。日本の道路条件に合わせた足回りで乗り心地が優れ、静粛性も重視したから市街地や高速道路を快適に移動できる。SUVと違ってカーブを曲がる時でも体が左右に振られにくく、安定性も満足できる。
2位はWRX S4。セダンの低重心を生かして安定性は抜群に高い。乗り心地にも粗さはなく、動力性能も優秀だ。高性能車なのに全幅を 1795mmに抑え、SUVに比べると視線の位置が低いから、左側面の死角も小さく街中でも安全に運転できる。
3位はインプレッサG4。安定性と乗り心地の緻密な調和はセダンボディならではだ。安全装備も充実させて、セダンの安心感を一層高めた。
4位はカローラアクシオ。このクルマの価値は運転のしやすさだ。SUVではほぼ皆無となる5ナンバー車で、前後左右ともに視界がいい。
5位はスカイライン。機敏な操舵感と優れた安定性の両立、硬さのない乗り心地は、セダンでなければ得られない。
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