2021年12月14日、トヨタが行なった「バッテリーEVに関する説明会」は日本だけでなく、世界中に驚きを与えた。自動車メデイアばかりか、新聞、テレビ、経済紙ほか、あらゆるメデイアに取り上げられ、EVに対して後ろ向きと言われていたトヨタがイメージを払拭すべく、これまで明らかにしていた2030年までにEVの販売を年間200万台から350万台へ上乗せ、投資額も4兆円規模まで一気に引き上げることを発表した。
ここで展示された16車中、2022年内に発表されるレクサスRZ、東京オリンピック・パラリンピックで実際に運用されたeパレット、そして発表ずみのbz4 Xを除き、13車種が世界初公開となった。
これだけ一気に公開されると、どこまで市販されるのか大いに気になるところだ。そこで発表車のなかでも最も気になるスポーツカーと、レクサスで開発が進められているという「LFA2」との関連について、現時点で分かっている情報を整理してお届けしたい。
文/ベストカー編集部
写真/TOYOTA、ベストカー編集部、三橋仁明/N-RAK PHOTO AGENCY
◼Lexus Electrified Sportと2025年頃発表の「LFA2」
2021年12月に一挙公開されたコンセプトカーの中で、クルマ好きが最も注目した1台はLexus Electrified Sport(エレクトリファイド スポーツ)だったろう。見るからにスーパースポーツらしいデザインで、レクサスのスポーツモデルの象徴として、ふさわしい迫力がある。2010年にデビューした名車、LFAの正当な後継車ともいえるスタイルだった。
そのいっぽうで、現在トヨタは2025年頃、レクサスブランドで新しいスーパースポーツを計画している…という情報が編集部に入っている。いや本当に入っているんです。入っているからには報じないわけにはいかないんですって。
これはGR(ガズーレーシング)に詳しい関係者からの証言だが、トヨタはルマンのレギュレーションに合わせ、ハイブリッドのハイパースポーツ(仮称GRスーパースポーツ)の市販を目指してきた。実際、約3億円というプライスで世界中の関係者に購入の打診をしてきて、100台とも言われる限定販売台数は、打診時点で完売状態という話も聞かれた。膨大な開発費をかけたこのハイパースポーツ開発は、2022年1月の東京オートサロン2022で公開された「GR GT3 Concept」に継承。GT3カテゴリーに狙いを定め、2022年内にもテスト車両が走り出すべく開発を続けているという。
ただこの「GT3 Concept」ともまったく別に、トヨタのスポーツブランドを象徴するスポーツカーの開発ラインも動いているという。それが2025年頃の発表に向けて開発が進められている「LFA2」だ。
2021年12月に公開されたLexus Electrified Sportを見たときに、もしかしたら、LFA2はこのモデルのことで、つまり「EVとして登場するのか」とも思えたが、発表の裏側をGR関係者に聞いたところ、開発中のLFA2は別物だという。
このLexus Electrified Sport は第3世代EVであり、デビューは早くとも2030年頃になるということだった。
今動いているLFA2はV8、4Lのツインターボエンジンを搭載する予定で(つまりBEVではなくガソリンエンジンを搭載したハイブリッド仕様でありレクサス最後のガソリンエンジン搭載車)、カタログモデルとして予定され、かつての初代LFAとは異なりカーボンシャシーではなく、現行のトヨタのFRプラットフォーム「GA-L」を使い、比較的リーズナブルな価格で登場してくる可能性があるという。
レクサスブランドながら、トヨタとしてコンベンショナルな最後のスポーツカーとなる予定だ。ただし、前述のとおりシステムにモーターを組み込んだハイブリッドになる可能性は高く、市街地モードではEV走行ができるHVスポーツになるはず。
ざっくり言うと、いまトヨタ社内ではフラッグシップスポーツモデルと呼べるスーパースポーツカーの開発が3つ動いているということだ。
(1)LFA2(2025年頃に発表するHVもしくはPHEV)
(2)GR GT3 Concept(2023年頃に発表するがレーシングユースのみ)
(3)Lexus Electrified Sport(2030年以降に発表する純EV)
(ただ、開発ラインは相互に連携しており、またそれぞれがよく統合、廃止されたりするので、現時点では別ラインで動いていても、LFA2開発計画がLexus Electrified Sport開発と統合されたり、今後中止や凍結される可能性も、残念ながらあります…)
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