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ボルトとソケットの接触部分に注目。面接触を徹底追求したko-kenのサーフェイスドライブの利点とは?

配信元:WEBIKE
ボルトとソケットの接触部分に注目。面接触を徹底追求したko-kenのサーフェイスドライブの利点とは?

 ソケットレンチで作業する際に必ず使用するのがソケットです。ボルトやナットに接するソケットには6ポイント(6角)と12ポイント(12角)の違いとともに、「線接触」と「面接触」の違いもあります。昨今のソケットは面接触が主流ですが、では面接触にはどのような利点があるのでしょうか。ここではソケットとボルトやナットの接触部分に注目するとともに、ソケットレンチ専門メーカーのko-ken(コーケン)が独自に開発したサーフェイスドライブ、またソケット専門ならではの個性が光るスパークプラグレンチを解説します。

 
文/栗田晃
 

航空機整備の現場からのリクエストで開発された面接触ソケット



メガネレンチやスパナか、ソケットレンチを使うかは、ボルトやナットの使用箇所によって判断する。平面上であればメガネレンチやスパナが使えるが、段差があってボルトやナットが奥まった場所にある場合はソケットレンチの方が圧倒的に作業性が良くなる。

 スパナやメガネレンチとソケットレンチの最大の違いは、グリップ(ハンドル)とボルトやナットに接する部分が一体か別体かという点にあります。スパナやメガネレンチは1つのサイズに1つのグリップが付いています。8×10ミリ、12×14ミリのように両端のサイズが異なっていても、グリップはレンチごとに必要です。

 一方ソケットレンチは、ソケットを差し替えて使用するためハンドルは1個で済みます。作業効率アップのためにハンドルやエクステンションバーを組み替えることもありますが、1本のハンドルをいくつものソケットで使えるのがソケットレンチの特長です。

 また、ボルトの6個あるボルトの頂点のうち2点で接触するスパナに対して、上からスポッとかぶせて6点で接触するソケットは回転トルク(荷重)を分散できるメリットがあります。2点接触が6点接触になれば接触部分が3倍になるので、1点あたりに掛かる荷重は3分の1になります。

 ボルトやナットに対してスパナで大きなトルクを掛けると、過大な力によって接触部分が摩耗してナメるリスクが高まりますが、ソケットなら(メガネレンチも同様ですが)荷重が3分の1に低減するためダメージが軽減されるという利点があります。

 しかしソケットがボルトやナットの六角の頂点に接すると、ソケットを回す力は頂点に集中して角が摩耗しやすくなり、繰り返し着脱を行うことでガタが生じてナメるリスクも高まります。

 この時、ソケットをボルトは点で接触しますが、両者には高さがあるので点がつながり線状となるため、これを「線接触」と呼んでいます。

 締め付けトルクが大きくなるほどボルトやナットの角部にダメージが加わりやすくなる状況を改善するために開発されたのが「面接触」です。この技術というかソケットデザインは、航空機整備の現場からの要望に応えてアメリカのスナップオン社が考案しました。

 面接触の最大の特長は、ソケットがボルトやナットの角部を避けて接触することです。角部を避けて6カ所の面で接触することで、線で接触する既存のソケットよりも応力を軽減でき、従来以上のトルクを掛けられるのが面接触ソケットの利点となります。

 スナップオンではこれに「フランクドライブ」の名称を付けて特許を取得し、その特許が切れたタイミングで世界中の工具メーカーが面接触を採用して、現在では一般的な機構となっています。

 
 
 

面接触レベルを大幅に向上させたko-kenのサーフェイスドライブ



六角頭のボルトやナットに使用するように見えない、開口部デザインが個性的なサーフェイスソケット。



長ナットにはめると、6角頂点部分から大きく外れた部分で接している様子がよく分かる。頂点とソケットはまったく接触していないから角をナメたボルトやナットにも使える上に、デリケートな化粧ナットの角部を傷める心配もない。



面接触の利点を最大限に追求することで、固着したボルトやナットを傷めることなくトルクを伝達できるのがサーフェイスソケットの強み。大きなトルクで締め付けられたフレームや足周りにも安心して使用できる。

 面接触機構は現在のソケットでは当たり前の技術となっており、ソケットレンチ専門メーカーのコーケンは6ポイント、12角ポイントのいずれも「フラットドライブ」の名称で製品化しています。

 そしてナットの角を傷めにくく、強いトルクを伝えられる面接触思想をさらに徹底、進化させたのが「サーフェイスドライブ」です。

 面接触は線接触に対して、開口部の六角形状の頂点が丸みを帯びています。ボルトやナットの6個の面に接するよう、頂点を結ぶ面がアーチ状になっていると言っても良いかもしれません。

 サーフェイスドライブを採用したサーフェイスソケットの内面形状はさらに極端で、もはや6角の頂点部分は存在せず6個のアーチだけがある状態で、本当に6角のボルトやナットに適合するのかどうかも心配になるほど。しかしこれこそが面接触を徹底した形状なのです。

 そもそも角部がないのでボルトやナットの角に接触しないのはもちろん、独自のアーチ形状はフラットドライブより広い面積で接触するため強いトルクを分散できる利点があり、さらに角部が摩耗したり潰れて、メガネレンチや一般的なソケットでは空振りしてしまうようなボルトやナットも回せます。

 クロームメッキ仕上げやアルミ素材などデリケートなボルトやナットに対しても、角部に荷重が掛からないので傷を付けづらいという利点があります。

 唯一違和感があるとすれば、既存の6ポイントソケットとはかけ離れた形状ですが、角部から離れた位置で接触するからといって、ボルトやナットとの間にガタが生じるわけではありません。

 ちなみにコーケンのソケットは、ラチェットハンドルやエクステンションバーをセットする四角の差込角部分にも面接触のフラットドライブを採用しています。これにより駆動工具からソケットに加わる応力が分散されて耐荷重がアップするメリットもあります。

 フラットドライブのレギュラーソケットに対してサーフェイスソケットは2割ほど高価になりますが、大きなトルクを加える作業を行いたい場合や、絶版車や旧車で角部が丸まったボルトやナットを緩める機会がある時に頼りになるのは間違いありません。



差込角3/8インチのサーフェイスソケットのラインナップは5.5~24mmの20サイズ。その中から使用頻度の高いサイズをセットにしたのがRS3410M/12で、入組は8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19mmの12個セット。



サーフェイスソケットには全長が異なるスタンダードとディープがあり、10mmスタンダードソケットの全長が26mmなのに対してディープ10mmの全長は55mmとなる。

 
 

金属クリップと真鍮ガイドを使用した独自のスパークプラグソケット



コーケンが次世代のメカニックスタンダードと位置づけ、既存のラインナップよりさらにコンパクトさにこだわって開発したZ-EAL(ジール)シリーズのスパークプラグソケット3300CZ。差込角は3/8インチで、サイズは14、16、18、20.8mm。



開口部の向かい合う二面に金属製クリップがあり、その奥に真鍮製ガイドが挿入されている。ガイド中心のガイシ径に相当する穴は、陶器製でデリケートなガイシを傷めることなく傾きを抑える働きがある。

 ソケットレンチ専門メーカーのコーケンらしさが溢れた製品としてもう一点紹介しておきたいのが「スパークプラグソケット」です。昨今のバイクはスパークプラグへのアプローチが大変で、昔に比べて着脱の手間が増大していますが、プラグは走行距離に応じて交換が必要な部品のひとつです。

 プラグを着脱するスパークプラグソケットは、プラグを保持する方法によって大きく3種類に分類されます。

①ゴムリング式

 ソケット内部のゴムリングやゴムブーツのフリクションで、プラグのセラミック部分を保持する定番タイプ。価格的にも安価だが経年劣化でゴムが痩せたり硬化すると保持力が低下することもある。

②マグネット式

 開口部付近に磁石が組み込まれており、ネジを緩めたプラグの六角ネジ部を吸着して着脱できる。ゴムリング式より経年変化に対して強いが、磁石とプラグが強く当たると割れるリスクがあり、プラグ以外に金属粉などが吸着することもある。

③クリップ式

 コーケンのクリップ式スパークプラグソケットがこれに該当し、金属製のクリップ(板バネ)がプラグの六角ネジ部の2面を保持する。ゴムのような経年劣化や磁石のような金属粉吸着のトラブルは無縁。さらにプラグがソケット内部で傾かないよう真鍮製のガイドがあり、深いプラグホールの奥底にネジ部があるようなエンジンでもネジ穴に向かって真っ直ぐプラグを挿入できる。



ソケット単体やストレートタイプのエクステンションバーでは回せないプラグに対して、途中にユニバーサルジョイントを組み込んだスパークプラグソケットもラインナップ。金属製クリップと真鍮製ガイド付きでソケットと差込部を一体化することで、差し込み式のユニバーサルジョイントを使うよりスリムな仕上がりとなっている。サイズはサイズは14、16、18、20.8mm。



ユニバーサルジョイントを組み込むことで、プラグソケット部分と駆動工具の角度を自在に調整できる。空冷エンジンでもメリットがあるが、プラグホールが深い水冷エンジンならなおさら使い勝手の良さを実感できる。

 真鍮製ガイドを入れたり金属クリップを組み込むことで部品点数が増えて機械加工の工程も増えますが、プラグのホールド感は格別で確実な作業が可能です。またコーケンならではの薄肉設計で外径を小さくしているのも注目ポイントで、最新型バイクのコンパクトなエンジンでもプラグホールに引っ掛かることなく使えます。

 すでにソケットやスパークプラグソケットを使っているサンデーメカニックにとって、同じ機能の工具を再度購入する理由はないかもしれません。しかし紹介した工具がこれまでのソケットを超える働きをするのは確かです。

POINT
 

 

  • ポイント1・ソケットレンチのソケットには「線接触」と「面接触」の2種類があり、昨今のソケットの大半は面接触機構を採用している
  • ポイント2・ko-kenのサーフェイスドライブは従来の面接触をさらに進化させた独自技術で、ボルトやナットの角を保護しつつより大きな締め付けトルクを実現する
  • ポイント3・クリップ式スパークプラグソケットは金属製クリップと真鍮製ガイドによりプラグを確実にホールドして傾くことなくプラグ穴に導ける

詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/maintenance/542929/

ボルトとソケットの接触部分に注目。面接触を徹底追求したko-kenのサーフェイスドライブの利点とは?【画像ギャラリー】
https://news.webike.net/gallery3/542929/542940/

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