2021年6月にフルモデルチェンジをした、トヨタ「ランドクルーザー」。その弟分である「ランドクルーザープラド」のフルモデルチェンジも近づいている。
現行ランドクルーザープラドが登場したのは2009年9月、すでに12年が経過した長寿モデルだが、人気は衰えるところを知らず、中古車市場では高額で取引される。
はたして、次期型プラドはどのような姿となるのか。兄貴分であるランクルには設定されなかった、ハイブリッドは設定されるのか!? 考察しよう。
文:吉川賢一
写真:TOYOTA
使い勝手に優れるクロカンSUV
モデル末期にある現行ランドクルーザープラド(以下プラド)だが、国内販売は尻つぼみするどころか、逆に増えている。過去5年を振り返ると(自販連発表、数字はランドクルーザーとの合算値)、2017年22,576台、2018年29,416台、2019年28,475台、2020年26,296台、2021年は33,481台となっており、プラドはこのうち8割程度を占める。これは、マツダCX-5(2021年、22,903台)や、スバルフォレスター(2021年、22,431台)よりも多い販売台数だ。
これほど売れる理由は2つあると考えられる。ひとつは使い勝手のよさだ。プラドのボディサイズは、4825×1885×1850(全長×全幅×全高)mm、ランクルは4950×1980×1870(全長×全幅×全高)mm。全高はほぼ変わらないが、全長は125mm、全幅は95mmもプラドの方が小さく、クルマの取り回しはずっと楽になる。
アルファードのようなラージミニバンと変わらないサイズ感で、5人乗り仕様に加えて、床下格納式の3列シートを備える7人乗りもある。3列目を畳めば、巨大なラゲッジスペースも確保できる。
本格クロカンとして使える強靭なシャシーを備えており、その気になればオフロード走行も可能だ。もっとも、この走破性の高さこそがランクル&プラドのウリなのだが、いかにも強そうなエクステリアデザインにもかかわらず、運転時の使い勝手がいいことが、日本でこれだけ支持されている理由であろう。
もうひとつが、コスト面だ。プラドの人気グレード「TX Lパッケージ(7人乗り)」は税込432万円。300系ランドクルーザーはエントリーグレードでも税込510万円という価格であり、プラドの方が断然安い(300系ランクルの最人気グレード「ZX」は730万円)。ランクルはさすがに予算的に手が届かないユーザーは、手ごろなプラドに流れていると思われる。
さらに、海外で人気のあるランクル&プラドは、リセールが非常にいい。新車販売が無い国では、日本で走行していた質の良い中古車が高値で取引されている。年式やグレード、ボディカラー、走行距離、装備内容次第では、売却価格が買値を上回ることもある。
新車で購入して数年間乗って遊びまわっても、ほぼ買値で買い取ってもらえる、大変お得なクルマなのだ。
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