トヨタのアルファード、ハリアー、カローラクロス、ヤリスクロス、ノア/ヴォクシーなどの人気モデルは、受注が多数集中している上にサプライヤーからの半導体を中心とした部品供給の遅れで生産が追い付かず、納期が半年から1年以上と大幅にずれ込んでいる。実際の販売現場はどうなっているのだろうか?
ここではアルファード、カローラクロス、ノアの3車種について、実際に首都圏にあるトヨタディーラーに出向き、営業マンに人気グレード、ボディカラー、希望の多い装備品、納期などの動向を尋ね、お薦めグレードについても直撃した。
文/遠藤徹、写真/TOYOTA
■営業マンがお勧めする人気車の人気グレードとは
まずは最上級ミニバンのアルファードは、以前アルファードを専売し、最も多く売ったトヨペット店に行ってみた。アルファードは4月下旬に法規対応を中心に一部改良している。
姉妹車のヴェルファイアと併売しているが、最近ヴェルファイアはほとんど売れておらず、2023年中盤のフルモデルチェンジ時にはアルファードに1本化される見通しとなっているとのこと。
現行ラインナップは2.5L、3.5LガソリンNA、2.5LハイブリッドユニットにガソリンNAは駆動方式が2WD、4WD、ハイブリッドは4WDのみの組み合わせだ。
営業マンは、開口一番、「アルファードの納期が遅くなっておりまして今注文いただいても半年以上お待ちいただくかもしれません」。さらにこう続ける。
「今最も売れているのは、特別仕様車の「SタイプゴールドIII」ですね。全体の8割を占めるのではないでしょうか。ハイブリッド比率は半分です。
昨年あたりまでハイブリッド比率は4割程度にとどまっていましたが、最近のガソリン価格の値上がりと電動化の流れのなかで人気がハイブリッドにシフトしています」。
ボディカラーはメーカーオプションのホワイトパールクリスタルシャインとスパーリングブラックパール、それにブラックの3色が3分の1ずつ分かれた人気色となっているそうだ。
装備品はTコネクトナビセット(10.5インチディスプレイ、ETC2.0ユニットなどとのセット)、デジタルインナーミラーなどのメーカーオプションにディーラーオプションの付属品としてテレビナビキット、ドライブレコーダー、コーティング、フロアマット、サイドバイザーなどを希望する例が多いという。
営業マンのイチ押しはSタイプゴールドⅢハイブリッド(車両本体価格515万4400円)。
さっそく、上記装備品のメーカーオプション74万3600円、付属品33万6930円、車両本体とオプション値引き30万1161円を差し引くと、法定、法定外費用を含めて現金支払い総額は615万円となった。
納期は5月下旬現在、5ヵ月待ちの今年10月になるそうだ。グレードによる納期の差はないとのこと。
これを頭金100万円の5年60回均等払いの残価設定クレジット(実質金利3.9%)で組むと初回6万30400円、毎月支払い5万8000円となる。
最終支払い額は247万4110円であるから、5年後のリセール率は48%でミニバンでは最も高いバリューを誇っている。5年後の精算時には多くの場合、残価よりも査定額が10万円以上高くつく状況だ。
ひと通り説明を受けた後、営業マンは「実は私が本気でおススメしたいのグレードは2.5LのS Cパッケージなんですよ」と教えてくれた。
「2.5LのS Cパッケージは468万1600円と、同等の装備を持つハイブリッドよりも約100万円、V6よりも約60万円安くなっていますが、高級感のあるインテリアや装備が充実しているからです。
確かにハイブリッドを選ぶお客様が増えていますが、実燃費ではガソリン車とハイブリッド車では3km/L程度しか変わらないため、ガソリン車のほうが圧倒的に割安ですし、相当走らないと元は取れません。
エクステリアはエアロバンパーで押し出し感は強いですし、内装もブラック&メタリック調、ステアリングもレザーとメタルウッドと豪華です。
そして一番のお薦めは、電動オットマン付きのエグゼクティブパワーシートです。この価格でこのシートは大変満足するのではないかと思います」。
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