スーパーカーは好きですか? 当編集部は大好きです!! 百年に一度の変革期にあって「社会におけるクルマの位置づけ」が変わりつつあるなか、「趣味としてのクルマ」はそうした世間の風潮とは隔絶した世界観のなかで、それでも進化を続けています。
21世紀のスーパーカーはどんなふうに進化しているのか?? 自動車評論家の石川真禧照氏がじっくりしっかり動画付でお届けする当連載。今回は、V8エンジンを搭載する2+2クーペ、フェラーリ「ローマ」をご紹介する!
●やっぱり「スーパーカー」が好き!! 自動車生活探検家・石川真禧照のスーパーカーワールド一覧
文/石川真禧照、写真/萩原文博、動画/吉田海夕、コペル
【画像ギャラリー】美しすぎるクーペ! フェラーリ「ローマ」のデザインを写真でじっくりチェック!!(16枚)画像ギャラリー■エレガントなデザインの新世代フェラーリ
フェラーリがV8エンジンをフロントに搭載し、後輪を駆動するスポーツカーを発売したのは2008年の「カリフォルニア」から。このシリーズは「カリフォルニアT」「ポルトフィーノ」「ポルトフィーノM」と続き、現在も人気モデルになっている。
「ローマ」はこの路線とは別の、ラグジュアリーロマン的路線のニューモデルだ。イメージはローマに住む富豪が所有するフェラーリ。
サーキットを豪快に走るというより、アウトストラーダをツーリングしたり、近郊のレストランに食事に行くときに乗る(もちろん美女を助手席に招待し)スーパーカーとして登場した。
その存在はこれまでのフェラーリとはやや違う世界にある。そのためにボディデザインもこれまでのフェラーリとは一線を画している。例えばテールランプは丸型ではない。フロントマスクもグリルとヘッドライトのデザインは最近のフェラーリのイメージではない。それは1960年代あたりの「250GT」「275GTB」「410スーパーファスト」のイメージに近い。
当時のデザイナーやエンジニアたちは、同じクラスで最高の空力パフォーマンスを実現させるために、多くの先端技術を開発し、実用化した。「ローマ」もそうした例にもれず、最先端の技術が導入されている。
例えばリアウインドウと一体化した可動リアスポイラーもそのひとつ。格納時はフォーマルなボディの一部になり、高速走行時は自動で起動し、安定したダウンフォースを発生する仕組みだ。
内装に関してもパドルシフトのレバーはコラムから生え、指の動きでダイレクトにシフトするが、他の操作は大半がタッチスイッチになってしまった。トグルスイッチやプッシュボタンのコクピットが懐かしい、とちょっぴり過去に浸ってしまうほどに、ローマの操作系は未来指向になっている。
ドライバーの目の前には16インチのHDスクリーンが備わっている。ここに7500~10000回転がレッドゾーンのエンジン回転計を中心とした計器や操作系が浮かび上がる。全面をナビ画面に切り替えることもできる。
センターパネルには8.4インチのHDディスプレイが2基、備わっている。インフォテイメントや空調の調節はここで行なう。と、ここまでは他の最新スーパーカーに備わっている装備。
ローマは、助手席の前にも8.8インチのフルHDカラータッチスクリーンを備えている。助手席のパッセンジャーが独自に目の前のスクリーンで車両のパフォーマンスの数値や状況を確認できる。さらに音楽の選択、カーナビの確認、エアコンの調整などの操作ができる。果たしてこのクルマの助手席に乗るような女性がこうしたことに興味があるか疑問だが、新しい試みではある。
他社のスーパースポーツモデルがこの装備を採用するのも時間の問題かもしれない。
室内では+2の後席にも触れておきたい。このシートはクッションもなく、頭上も身長150cmが限界。レッグスペースもツマ先は前席下に入るものの、広さはミニマム。左右1名分ずつのスペースはコートなどを置く場所と割り切ったほうがよさそうだ。後席の背もたれは上半分が、トランクのスイッチにより前倒することができ、トランクと一体化できる。ゴルフバッグも収納できる。
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