2022年6月に受注開始され、9月に発売となったCX-60。マツダによるCX-60の受注状況をみてみると、マツダ車からの買い換えが半数の57%だったという。また、マツダ以外のメーカーからの乗り替えは43%だった。そのうち20%が輸入車メーカーからだったという。
そこで、本稿ではマツダCX-60がレクサス、輸入車メーカーに負けない3つのポイントを解説する。どのような魅力が隠れているのだろうか? 2022年3月にCX-60のプロトタイプに試乗した著者、石川真禧照氏が考察する。
文/石川真禧照、写真/MAZDA
【画像ギャラリー】CX-60には勝てる魅力がたくさんあるぞ!! クォリティの高い内外装を見る!!(19枚)画像ギャラリーCX-60は自社SUVの次の受け皿としてまずは設定された
初めて「CX-60」のハンドルを握ったのは2022年の3月だった。テストコースで乗ったのはプロトタイプだったので、インテリアも簡素で、本当に新しいエンジンやハイブリッドシステムや8速ミッションのフィーリングをチェックする程度だった。
新開発の直列6気筒はディーゼルターボで48Vマイルドハイブリッドシステム「M Hybrid Boost」を搭載。まるでドイツの高級ブランド並みのシステムを実用化していた。
テストコースではこれも新開発の8速ATが、若干シフトワークに気になるところがあったが、それもプロトタイプということで今後の開発に期待したい、という意見を述べただけだった。
マツダがCX-6を開発した目的は、CX-5やCX-8のユーザーが次に乗り替える時、自社ブランドでの受け皿がないことだった。マツダは過去にもヒット作を出しているのだが、その次のモデルが続かず、ユーザーを失ってきた歴史がある。
今回は、CX-5だけでなくCX-30などのヒット作が続いたことで開発資金もでき、受け皿のモデルの開発に着手できたのだ。
資金を得た次期モデルの開発には力が入った。新開発の直列6気筒エンジン、8速ATに加え、マイルドハイブリッドシステムなど、次々と新技術を導入した。さらにインテリアの質感にもこだわった。このことが、発売後の販売に大きな変化をもたらしたのだ。
2022年6月22日、マツダはCX-60の予約受注を開始した。パワートレーンは4種類。
「4気筒ガソリン+モーターのe-SKYACTIV PHEV」、「直6、ディーゼル+モーターのe-SKYACTIV-D」「直6、ディーゼルのSKYACTIV-3.3」、「直4、ガソリンのSKYACTV-G 2.5」。それぞれに4WD、2WD(FR)が用意され、グレードも内装などの違いで4グレードが用意された。
2022年9月15日、販売が開始され、受注状況が公表された。そこで判明したのはCX-5やCX-8からの代替が57%に対し、他銘柄からの乗り替えが43%、しかもそのうち20%が輸入車からの乗り替えだった。具体的には「メルセデスやBMWのお客さまが多い」(ディーラー担当者)。
なぜCX-60なのかを尋ねてみると「内装のクォリティが高い」(メルセデスからの乗り替え)、「走りと燃費が両立していそう」(BMWからの乗り替え)という声が返ってきた。
このことを開発担当者にぶつけてみた。すると、「実は発売前に横浜をはじめ、何カ所かで、見こみユーザーに対して、内見会を行ないました。その時に最も多かった意見が、インテリアのクォリティの高さを評価する声だったのです。」
実際に予約受注のなかで、その内訳を調べてみると注文した4割の人が直6、ディーゼル+モーターの「HD-HYBRID」を選んでいる。さらにグレードを調べてみると、「XD-HYBRID Premium Sports」だった。
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