危ねえ…眩しすぎるヤツ、暗すぎるヤツ…ライトの使い方は「安全運転」の一丁目一番地

危ねえ…眩しすぎるヤツ、暗すぎるヤツ…ライトの使い方は「安全運転」の一丁目一番地

 夜間の信号待ちの際などに、対向車や後続車のヘッドライトが眩しく感じることがある。さらに近年は、LEDヘッドライトが普及していることもあり、眩しさが増している。かと思えば、周囲が薄暗いのに、無灯火で走行しているクルマも見かける。

 ヘッドライトは、クルマの安全装備のひとつであり、いまの季節は日が短いために暗くなるのが早く、点灯させて走行する機会も多い。ここでヘッドライトの使い方をおさらいしておこう。

文:吉川賢一
アイキャッチ写真:Adobe Stock_beeboys
写真:Adobe Stock、写真AC

無灯火で走行するクルマは、自分が見えないことはもちろん、周囲が気づくのも遅れる

 夜間に無灯火で走行するのは、違反であることはご存じのとおり。道路交通法では、「車両等は、夜間、道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない(第五十二条)」とされており、原則として、夜間の信号待ちであっても、ヘッドライトを点灯させることが義務付けされている。以前は点灯し忘れているクルマも多かったが、近年は周囲が暗くなると自動で点灯するオートライトの普及が進み、新型車は令和2年4月から、継続生産車は令和3年10月から、義務化もされている。

 ヘッドライトの光の向きには、「ロービーム」と「ハイビーム」があるが、国土交通省が定める「道路運送車両の保安基準」において、ロービームは「すれ違い用前照灯」、ハイビームは「走行用前照灯」とされており、その名が示す通り、対向車や前走車がいる場合は、ロービームを使用するが、周りにクルマがいない場合は、前方をしっかりと把握するため、ハイビームとすることが必要。

 ヘッドライトは、このように自車が道路状況を把握することのほか、対向車や歩行者、二輪車に、自車の存在を気が付かせる役目もある。たとえ自分が見えていたとしても、相手から見えなければ、そちらからぶつかってくることもあるからだ。

夜間のヘッドライトは、自車が周囲を把握するためであることはもちろんのこと、対向車や歩行者、二輪車に、自車の存在を気が付かせる役目も(PHOTO:写真AC_ソライロ)
夜間のヘッドライトは、自車が周囲を把握するためであることはもちろんのこと、対向車や歩行者、二輪車に、自車の存在を気が付かせる役目も(PHOTO:写真AC_ソライロ)

強すぎる光は、げん惑や蒸発現象を招く

 近年は、オートハイビーム(自動切換型前照灯)のほか、高級車には「(通称)アダプティブヘッドライト(ADB:Adaptive Driving Beam System)」と呼ばれる、瞬時にハイビームの照射位置や角度を、自動可変する装備が搭載されるようになっており、これらの普及が進むことで、対向車や後続車のヘッドライト(による眩しさ)に困ることは減っていくだろう。

 ただ、街中で遭遇するクルマのなかには、ハイビームでなくても眩しく感じるほど、ヘッドライトの光が強すぎるクルマもある。カスタム好きの人のなかには、ヘッドライトの明るさをより煌びやかにする人もいるが、対向車の眩しすぎるヘッドライトの光でげん惑してしまうと、収まるまでには数秒かかり、その間、信号機や歩行者、二輪車等が見えにくくなってしまう。また、強すぎるヘッドライトは、自車が照らすヘッドライトと、対向車が照らすライトの間に入った物体が見えなくなる「蒸発現象」も引き起こす。どちらも、ドライバーの視界を奪う、大変危険な状態だ。

ハイビームや強すぎる光は、げん惑や蒸発現象を招く(PHOTO:Adobe Stock_Ivan Kurmyshov)
ハイビームや強すぎる光は、げん惑や蒸発現象を招く(PHOTO:Adobe Stock_Ivan Kurmyshov)

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