日産エルグランドといえば、1997年に登場したプレステージミニバンのパイオニアで、いつしか「キング・オブ・ミニバン」と呼ばれていた。しかしライバルの猛追を受け、現在はトヨタアルファード/ヴェルファイアを追う立場となっている。
そこで、エルグランドは「キング・オブ・ミニバン」の称号を奪還するため、2014年1月のビッグマイナーチェンジで実力に磨きをかけ、さらに今回使い勝手の向上のため3月のジュネーブモーターショーで発表された、ドライバーに常にクリアな後方視界を提供する「スマートルームミラー」を6万円(取付工賃・消費税込)のディーラーオプションとして設定した。
スマートルームミラーを装着した試乗車はビッグマイナーチェンジの際に設定された売れ筋グレードの250ハイウェイスタープレミアム。(399万6000円) スマートルームミラーのテストの前に、まずエルグランドのビッグマイナーチェンジをおさらいしよう。ポイントは大きく3つ。「キング・オブ・ミニバン」奪還を目指して、高級感漂う存在感を強めたエクステリア。そして広さと質感にこだわったキャビンスペース。最後が大幅に改善されたラゲージスペースだ。
エクステリアは切削処理を施した専用の18インチホイールが目を引く。250XGを除いて、ヘッドランプ、フロントグリル、そしてフロントバンパーのデザインを一新。特にクラス最大級に大型化したフロントグリルは全周をクロームメッキで囲むことで、高級感だけでなく、押し出し感も増している。
LED採用したヘッドライトで「目ヂカラ」の強化と視認性の向上を両立させている。そしてインテリジェントキーで施錠、解錠すると、シグネチャーLEDポジションランプが点灯する。
キャビンスペースは全高を変更せずに、フロントシート部のヘッドクリアランスを+20mm、室内高を最大+25mm拡大した結果、前席の開放感が増しただけでなく、ウォークスルーといった室内での動きがスムーズにできるようになった。
そして試乗車にはカラードクロムを配した専用のグラデーションブラックメープルフィニッシャーやシートステッチにアンバーのアクセントを施したダイヤ型キルティングのブラックメタリックレザーシートを組み合わせたグランドブラックインテリアによって高級感を際立たせている。
今回のビッグマイナーチェンジで最もこだわったポイントがラゲージスペースの改善だ。3列目シートに前方向へ240mmのスライド機能を追加。さらに後部のラゲージボードの高さを150mm程度下げられるようにしたことで、3列目シートに人が座っていても最大6個の9インチのゴルフバックを積載できるほか、用途に合わせて様々なモノが積めるように積載量がアップしている。
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