最近の夏は、年々暑くなっているように感じがしますが、そんな猛暑の夏にトラックドライバーさんを苦しめるのがアイドリングストップです。
荷役作業で汗をかいたのにエアコンなしの蒸し風呂状態の車内で待機なんて、かなりツラい。長距離の場合、430休憩や仮眠を取るにしても、こう暑くっちゃ休むどころの話じゃない。
「アイドリングストップを励行しましょう!」というのは簡単だけど、言いっ放しじゃなくて、何か代替策を考えてくれなきゃ改革になりゃしない。
働き方改革とはまだまだ縁遠い、そんなドライバーさんの生の声をご紹介しましょう。
文/中堅ドライバー鰻さん・ベテランドライバー渚と涼のパパ、写真/フルロード編集部・写真AC・Adobe Stock(トビラ写真:hakase420@Adobe Stock)
*2021年9月発行「フルロード」第42号より
ドライバーを軽視する酷い現場もあります
中型トラックで航空貨物を扱っている鰻です。暑さ対策といっても、正直なところ特別なことはしていません。自分の体調にあわせて自己管理しているって感じですね。
積み込み先で特にひどいのが、定期で入っている倉庫です。築5年も経っていない新しい倉庫なのですが、倉庫のつくりの関係もあってか、風がほとんど抜けません。もちろんアイドリングは禁止。扇風機やスポットクーラー等も無く、夜でもかなり暑いです。
現場責任者に、聞いたところ「すべてのバースでコンセントを使用すると、ブレーカーがあがるのでコンセントは使用不可」との返答が……。
バースに接車し、ケツからの積み込みですが、ドライバーが全バラ積み、または一旦パレットに降ろした後のパレット積みになります。体力作業の現場なのに、倉庫もトラックの庫内もかなり暑く、毎年現場で何人ものドライバーが熱中症で倒れるのを見ています。
この倉庫には休憩室があるのですが、セキュリティの関係などで倉庫作業員しか使えず、ドライバーは使えません。
バース接車時はアイドリングストップですが、自分のトラックにはアイドリングストップクーラーはついていないので、荷物待ちや休憩する場合は、一旦バースからトラックを出し、外の待機用駐車場でエンジンをかけて、エアコンを使い待機しています。