スウェーデンのスカニアといえば、日本でも人気のブランドだ。見た目のカッコよさは折り紙付き。そしてトラックドライバーにとっては広く機能的なキャビンは憧れの的だ。今回登場したのは、スカニアS730 4×2と3軸ダンプトレーラのコンビ。トラック/建機のモデルカーの第一人者、ケンクラフト店主のケンさんが紹介します。
文/高石賢一(ケンさん) 写真/高石賢一、スカニア
※2023年6月発行トラックマガジン「フルロード」第49号より
日本でも人気のスカニアブランド
スウェーデンのスカニアブランドは、日本でもすっかり定着して、頻繁に見かけるようになってきた。それもそのはず、累計で2000台が走っているとのこと。海上コンテナをはじめ、重量物運搬を得意とする会社さんが導入している。国産車より馬力が大きいというところが売りのひとつだ。
快適な運転席、疲れにくいシート、ハイルーフの室内高は驚くほど高く、たって手を伸ばしても天井に届かないほどだ。街で見かけると、背が高く欧州車ならではの存在感がある。ドライバー諸氏からもスカニアを運転しているという優越感と誇りを感じ、カッコイイのだ。
カッコよく仕事をするということは安全にも意識がいくし、お客様にもそれが伝わるのではないだろうか。
先日あるお客様が「建設現場にスカニアが入ってきただけで、その現場にいる人たちのテンションが上ったんですよ」と言っていた。やはり皆さんカッコイイモノ、カッコイイことが好きなんだなと……。クルマ好きの代表がいる会社さんはそれを判ってらっしゃるようだし、スカニアを用意しておくことで仕事意識の高いドライバーを獲得できるであろう。
スカニアファクトリーを取材したことがあるが、トラック、バスを100年以上に渡って製造。エンジンも自社製で直6、V8を用意。最大は770馬力を誇る。
ストックホルムに住む日本の主婦が書いたエッセイのコラムに、ストックホルムのバスはとても乗り心地が良いと書かれてあり、スカニアのモノづくりの哲学を垣間見た。
欧州では、トラック運送は1日500キロくらい走ることも多い。ドライバーにとっては長い時間働く場所だ。居心地が良く、疲れにくい環境がベターだ。ここにもスカニアの答えが形になっている。短時間だったが、テストコースでフルトレーラ、大型バスを運転させていただいたが、とても運転しやすかったのが印象的だった。
S730 4×2 + 3軸ダンプトレーラ
今回紹介するのは、スカニアS730 4×2 + 3軸ダンプトレーラだ。3軸ダンプトレーラは実車も導入されており、馬力のあるスカニアやボルボで牽引して活躍している。
製造メーカーはランゲンドルフかシュミッツで、デザインは似ており、丸底タイプでスーパーシングルタイヤを装備。どちらもドイツ製だ。最大積載量は約28トンを誇る。1回に運搬できる量が増えれば人手不足の助けにもなりそうだ。
モデルはオランダのWSI社製で、1/50スケール。スカニアはつくりなれた感じで、習作という感じ。フロントステアリング可動のほか、キャビンがチルトしてエンジンを見ることができる。キャブバックにはジャンパーケーブルも再現されている。シャシーもそれなりにできており、コレクションにはいいだろう。
同社では、スカニアのほか、メルセデス・ベンツ、ボルボ、DAF、イヴェコ、ルノーと、すべての欧州トラックをモデル化している。しばらく前にはいすゞギガをモデル化して日本のファンを喜ばせてくれた。
スカニアのバリエーションはRシリーズ、Sシリーズがあり、それぞれ4×2、6×4、6×2、レッカー、多軸、ハイルーフ、ミドルルーフ、ロールーフ、左ハンドル、右ハンドル(英国仕様)等豊富で、欧州の運送会社カラーを数多く手がけている。
写真のSは730のバッジが付く、いわゆるネクストジェネレーションモデルの4×2ハイルーフ。左ハンドル仕様だ。
ダンプは前出のランゲンドルフ。荷台先端に装備したテレスコピックシリンダーで荷台をダンプアップする。堅牢なシャシーをシンプルながらうまくまとめてある。
荷台もシャシーもダイキャスト製で重量感あるしっかりしたつくりで好感が持てる。3軸のほか2軸もモデル化されている。迫力あるダンプトレーラをコレクションに加えてみてはいかがだろうか。
【画像ギャラリー】まるで本物!! スカニアとダンプトレーラのミニカーのディティールをチェック!!(4枚)画像ギャラリー