ジムニーとジムニーシエラの中古車価格がここのところ、爆上がりだ。5年落ちのタマでも程度良好車だと新車から100万円以上の高値がつくケースも。なぜここまで高騰しているのかを探ってみた。
文/萩原文博、写真/ベストカー編集部、スズキ
■なぜここまで高騰してしまうのか?
世界的な半導体不足やパンデミックによって、オーダーした新車の納車が数年という気の遠くなるような長い車種がある。本格オフローダーのスズキジムニー&ジムニーシエラも2018年7月に登場し、すでに5年が経過したものの人気の高さに陰りはなく、納期は長期化したままだ。
ここでは、現行型ジムニー&ジムニーシエラの最新の中古車相場をチェックしつつ、なぜここまで高騰が続くのかを検証してみる。
2018年7月に約20年ぶりのフルモデルチェンジを行いジムニーは4代目。そしてジムニーシエラは3代目となる現行モデルが登場した、販売開始直後からオーダーが殺到し、両モデルともに納車まで1年以上という期間を要した。
■スズキの他モデルとパーツを共用していないことがアダに?
最新の納車状況を知り合いのスズキ販売店に聞いてみると、「ジムニーは1年前後で、MT車は若干早め。ただし、ツートンカラーを選ぶとプラス1カ月程度とデビュー当初に比べると気持ち程度早くなりました。しかし、ジムニーシエラはいまだに深刻で、納車まで1年から1年半とデビュー当初からほとんど変わっていません」ということだった。
ジムニー&ジムニーシエラの新車の納期が短縮できない最大の要因は、ジムニー&ジムニーシエラに使用されているパーツが、ほかのモデルとほとんど共用していないワンオフモデルということが挙げられる。
ジムニー&ジムニーシエラのボディの骨格には、X状のメンバーとクロスメンバーを追加し、ねじり剛性を従来型の約1.5倍に向上させた新開発のラダーフレームを採用。さらに、660cc直列3気筒ターボを縦置きにしたFR(後輪駆動)のレイアウト。
そして、悪路走破性を高めるパートタイム4WDを採用するなど、同じ国内販売されているスズキ車でも同じ仕様は見られない。その結果、生産ラインを増やすことができないため、新車の納期が長期化しているのだ。
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