自社のハイブリッドシステムを、日産では「e-POWER」、ホンダでは「e:HEV」として販売している。それぞれの特徴はどういったところにあるのだろうか? 改めて両者を比較しながら復習してみよう!
※本稿は2023年8月のものです
文/ベストカー編集部、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2023年9月10日号
■e-POWERとe:HEVの違い
日産のe-POWERは、実際にタイヤを駆動するのは電気モーターのみで、搭載されるエンジンは発電専用で駆動力には一切加わらない。
対してホンダのe:HEVは約100km/h以下の領域ではe-POWER同様、エンジンで発電機(モーター)を回し、その電力で駆動用モーターを回してタイヤを駆動する。ここまでは同じで、基本的にはシリーズハイブリッドということになる。
しかしe:HEVはモーターの効率が低下し、相対的にエンジンの効率が高まる高速走行時の一定速度巡航時などにエンジンの動力がタイヤに伝わる。「モーター主体だが、場合によってエンジンも駆動力に加わる」というのがe-POWERとの大きな違いだ。
e:HEVのエンジンは、例えばシビックの場合、0.805のギア比でアウトプットされている。
有段トランスミッションのトップギア相当のギア比で、高速巡航時の燃費を高める。高速道路での巡航が長距離になるほど、また新東名のような120km/hでの巡航比率が増えるほど、e-POWERよりもe:HEVのほうが燃費効率は優れる。
■e-POWERにおけるエンジンの役割
ところでe-POWERにしても、動力性能はモーター出力で決まるのでは? と思われるかもしれないが、大出力モーターを回すためには、それに見合った電力を供給しなければならない。
だから、シリーズハイブリッドの発電機には大容量が求められ、これを効率よく回すパワー/トルクを発するエンジンが必要になってくる。
加速時などモーターが大出力を発する際にはエンジンがグワーと唸りを上げて回転を高めるのはそのため。モーターの出力にエンジンのパワーが大きくかかわっているのだ。
シリーズハイブリッドでは、モーターを効率よく回すためのエンジン特性が重要なポイントとなる。そのためセレナは1.2Lから1.4Lに排気量を拡大したし、エクストレイルは1.5LのVCターボを採用するのだ。
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