この夏沖縄に行くという人も多いと思うが、沖縄をバイクで走るライダーの思わぬワナとなっていたのが「バイクは第一通行帯(一番左の車線)以外走っちゃダメ」という謎ルール。そいつがついに廃止されることになった。そもそもなんで?
文:ベストカーWeb編集部/写真:Adobestock、PhotoAC、ベストカーWeb編集部
■事故の急増してバイクの車線変更を禁止!
沖縄本島をクルマで走る際には、気を付ける道路がいくつかある。たとえば那覇の国際通りは平日朝夕にはバス専用道路となって乗用車が走れないし、国道58号も朝夕は第1通行帯がバス専用レーンとなり、乗用車が走ると取締りの対象となる(土日休日などを除く)。
こうしたバス規制、実は二輪車は対象外でバスレーンを走れるのだが、沖縄には逆に、オートバイだけが守らなくてはならない珍ルールもある。それが一部国道で実施されてきた「二輪車(原付を含む)は複数車線があっても第1通行帯しか走っちゃダメ」というものだ。
このルール、現在では国道58号線と国道330号線の一部区間だけが対象なのだが、ちょっと前までは507号や329号などでも実施されていた。違反すると1点となり、6000円の反則金(原付は5000円)を納付しなければならない。
なんでこんなルールがあるのか。沖縄県の場合、規制が始まったのは1983年のことだ。
当時の沖縄は日本復帰から11年目。二輪車を含むマイカーの保有台数が急速に伸び、オートバイの事故が急増していた。その事故がバイクの車線変更時に多かったため、沖縄県警が二輪車の車線変更を原則禁じたというわけだ。
■国道330号線は8月末、58号線は9月末に廃止
同種のルールはかつて他府県にもあったというが、右折時などの運用が難しいといった理由で次々に廃止されてきた。
結果、沖縄県だけにこの珍ルールが残ったのだが、とうとうその沖縄県でも、廃止が決まったのだ。その影には、2輪の死亡事故減少やマナー向上を訴えてきた県オートバイ事業組合の尽力もあったようだ。
具体的にいうと、解除されるのは、国道58号線の「嘉手納(南)交差点~城間」区間と「勢理客北~旭橋」区間の約19.7km、および国道330号線の「普天間~古波蔵」区間の約15.5km。これで沖縄からはバイクが第1通行帯しか走れない区間は消滅する。
ただし解除のタイミングが2つの国道で異なる点は注意したい。国道330号線は8月末、58号線は9月末だ。お盆時期に沖縄をバイクで走るという県外ライダーは、どちらも規制実施中なので注意したい。
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