様々なキャラクターの軽自動車をラインアップしているスズキ。スライドドアを有するスペーシアや軽自動車の代表格とも言える存在のワゴンR、ベーシックなアルトなどその種類は様々だ。しかし、様々なキャラクターのモデルが存在しているのにも関わらず、同じ部分がある。それがホイールベースなのだ。このホイールベースの秘密と車種に迫る。
文/西川昇吾、写真/スズキ
■ホイールベース2460mmの理由は?
現行のスズキのほとんどの軽自動車のホイールベースは2460mmとなっている。これは基本的なプラットホームを共有しているからと言えるだろう。現行のプラットホームとなったのは先代のアルトからだ。
現在ではHEARTECT(ハーテクト)の名前でお馴染みのこのプラットホームは、以前のプラットホームのホイールベース、2425mmより35mm拡大されている。
ホイールベースが長くなったということは直進安定性を高める方向性となった訳だが、このホイールベースの拡大は、操縦安定性や軽自動車として大切な小回り性能など、様々な要素を加味して決定されたものなのだ。
スズキの大半の軽自動車がこのホイールベースになっているので、スズキが考える現代の軽自動車のホイールベース最適解が2460mmと言えるだろう。
■どんなクルマがホイールベース2460mmなの?
では実際にこのホイールベースが採用された車種を一部になるが見ていこう。まずは先代&現行のアルトだ。2014年登場の先代アルトからHEARTECTは採用され、2460mmというホイールベースがスズキの軽自動車のスタンダードとなった。ハッチバックのボディ形状を採用するアルトは「軽セダン」とも言われるジャンルであり、スズキの中でも最もベーシックな軽自動車と言えるだろう。
その次にこのプラットホームを採用した軽自動車は、実質的にアルトの派生車種とも言えるラパンだ。2015年に登場した現行型から採用されている。ボディ形状も含め、様々な部分を共有していることも多いアルトとラパン、この2車種でプラットホーム&ホイールベースが共通しているのは順当と言えるだろう。
そしてスズキの軽自動車代名詞的存在であるワゴンRだ。2017年に登場した現行型から採用されている。アルト系とは異なり背の高いハイトワゴンになるワゴンRだが、こちらも2460mmのホイールベースとなっている。
同じく2017年に登場したスライドドアのスペーシアもHEARTECTを採用し、当然2460mmのホイールベースとなっている。ここまでくると、軽セダン、軽ハイトワゴン、スライドドアを有するハイトワゴンなどバリエーションが豊かなのが分かる。
その後はSUVテイストを落とし込んだハスラーの2代目(2018年登場)やちょっと低めのスライドドア軽であるワゴンRスマイルなどにHEARTECTとホイールベース2460mmが採用されている。
このようにラインアップを見てみると、基本的には同じホイールベースを使用しながら、様々なバリエーションと各モデルの個性的なキャラクターを作り上げることが出来るスズキの商品企画と開発力にはあっぱれと言わざるを得ない。
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