いよいよ10月28日から一般公開される「ジャパンモビリティショー2023」だが、商用車メーカーの見どころといえば、やはり次世代大型トラックの競演だろう。いすゞ自動車、日野自動車、三菱ふそうの参考出品車を追った。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/いすゞ自動車、日野自動車、三菱ふそうトラック・バス
いすゞ ギガFUEL CELL
いすゞ自動車は、UDトラックスとの初めての共同出展だ。
UDトラックスブランドでは、重量物輸送の常識を塗り替えるフラッグシップモデル「クオンGW6×4」、新興国専用の大型けん引車「クエスターGWE6×4」の重トラクタコンビがブースに居並ぶ。
いすゞブランドでは、まさに次世代大型トラックの本命とされる「ギガFUEL CELL」が登場。いすゞと本田技研工業(以下「Honda」)が2020年1月に共同研究契約を締結して以来、両社の技術や知見を注ぎ開発してきた燃料電池(FC)大型トラックで、今回が初の一般公開となる。
今回の展示車両は、都市間輸送の代表車型である「低床4軸8×4」を採用。航続距離は800km以上(いすゞ評価モード)と、大型トラックとしての実用性とゼロエミッションを両立。また、水素を用いる燃料電池車(FCEV)ならではのエネルギー容量の大きさを生かし、災害時等における「移動式電源」としての活用を想定した外部給電機能も備えている。
「ギガFUEL CELL」は、今年度中にモニター車を使った公道実証実験を開始し、2027年を目処に量産車両の市場導入を予定している。
日野プロフィア Z FCVプロトタイプ
トヨタ自動車と日野によって共同開発された「日野プロフィア Z FCV プロトタイプ」は、カーボンニュートラル、水素社会の普及に貢献するもの。走行実証を通じて実用化に向けた取り組みを推進していくとしている。
大型トラックは幹線輸送に使われることが多く、積載量や航続距離など商用車としての実用性と環境性能が高次元で両立することを目指している。ベース車両は後輪2軸の日野プロフィアFR1AWHGで、車両総重量は25トン。
トヨタのFCスタックを採用し、交流同期電動機、新開発大容量高圧(70MPa)水素タンク、リチウムイオンバッテリーなどを採用。目標航続距離は約600kmとなっている。