2019年4月10日、新型RAV4が日本に堂々“復活”を果たした!
RAV4は、SUVの先鞭をつけた存在ともいえる一台だが、2016年に日本においては販売が終了。
約2年半の空白期間を経て、日本市場への再上陸。月販目標台数3000台に対して、発売後約1ヵ月時点で約2万4000台の受注を集めるなど立ち上がりは上々だ。
ただ、同じクラスにはマツダのCX-5やスバルのフォレスターのほか、RAV4と同じく日本市場復活を果たしたホンダ CR-Vなど強豪ライバルがひしめく。
超激戦区に再登場する新型RAV4は、これらの競合車を越える実力をもつのか? 「悪路での走破性」、「パワーユニット」、「オンロードでの性能」、「グレード」という4つのポイントを軸に解説する。
文:鈴木直也、渡辺陽一郎
写真:編集部
ベストカー 2019年5月26日号
SUVの真骨頂! 悪路での走破性は?
今度のRAV4には3種類の4WDシステムがあるが、基本となるのはリアデフの前に電子制御カップリングを配置したタイプだ。
ジェイテクト製の電制カップリングは今や“業界標準”で、国産ライバルはすべて同じものを使っているから、なかなかライバルとの差は見えにくい。
グラベルでがんがん踏んでゆくとアンダーステアが強まるが、それはアクセルの踏み方次第。
雪の士別テストコースで乗った経験では、ジワっとしかトルクがかけられない雪上だと、より素直に回頭する印象。扱いやすいだけではなく、後輪をリバースさせるような走りも容易だった。
「アドベンチャー」の4WDは、リアデフ(厳密にいうとデフは付いていないが)の左右に電制カップリングを装備したタイプ。それを別個に制御することで、左右後輪にトルク差を発生させ、トルクでクルマを曲げる機能を持たせている。
このタイプの走りは、グラベルでも雪上でも「普通の4WDとは明確に違う!」といえる個性がある。
旋回Gが大きくなったところでアクセルを踏み増すと、あたかもFR車のようにリアがアウトに出てゆく。
単純にいえば“FR感覚”なのだが、上手に制御すれば直進安定性にも効くし、ブレーキ制御との併用でFR以上に「曲げる」ことも可能。面白いだけではなく、クレバーな4WD。
さらに、ダメ押しとして、ハイブリッド用の電動4WDも、モーターを強化した結果、ベクタリング4WD仕様に匹敵するアクティブな走りっぷりを獲得。プリウスのそれとはまったく別物といえるレベルに進化していたのには驚いた。
ガソリン車とHV パワーユニットの実力は?
RAV4のエンジンは標準が2L、ハイブリッド用が2.5L。ともにトヨタの新しい“ダイナミックフォース”シリーズの新設計ユニットだ。
この新型エンジン、もちろん優先テーマは熱効率向上なのだが、全体にトルキーだし吹き上がりも軽快。燃費志向の“眠い”エンジンではなく、がんがん踏んで走らせたい時にはそのリクエストに応えるだけの実力を持っている。
自然吸気の2Lで171ps/21.1kgmというスペックは、ひと昔前なら“スポーツエンジン”で通用するレベル。
しかも、ストロークは97.6mmもあるのに、それが最高出力発生回転数の6600rpmまで軽やかにブン回せる。振動やフリクションの低減技術など、地味な開発をコツコツ積み上げた傑作エンジンだ。
ハイブリッドは2.5Lで、エンジン単体では179ps/22.5kgmだが、前後ふたつのモーターを合わせたシステム最高出力は222ps。
カムリの時にもびっくりしたが、このパワートレーンは、もはや“スポーツハイブリッド”と呼ぶのがふさわしい。燃費はもちろん、そのパワフルなドライバビリティを高く評価したい。
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