アルティスにメビウス……AZ-1の兄弟キャラもいたなぁ!!　OEM車っていったい誰が買うのよ!?

　協力関係にある他メーカーが生産した車両の供給を受け、自社ブランドの車両として販売するOEM販売。これは開発にかかる期間やコストをかけることなく自社のラインナップを拡充することができるというものだ。今回はOEM車を扱うメーカー事情を皆さんにご紹介しよう。

文／小鮒康一、写真／DAIHATSU

■売れないとはいえ、ほぼ街中で見ないレベルのOEM車も多数存在する

　さまざまなOEM車の中には、街中で見るケースがほとんどないような激レア、というか全く売れている気配のないモデルがある。

　その代表格とも言えるのが、過去にダイハツブランドから販売されていたアルティスやメビウスだろう。

　アルティスはトヨタ カムリ、メビウスはトヨタ プリウスαがベースとなっており、見た目はエンブレムが変わっている以外はベース車と全く違いがない。

　またグレードの構成もカムリにあるエアログレードのWSや、プリウスαにある7人乗り仕様が存在しないなど、かなり絞られていた。

　そのため上級グレードを求めるユーザーにとってはそもそも検討の範囲になることもなく、ディーラーも利幅の少ないOEM車は積極的に売るつもりがないため、その存在すら知らないという人も少なくない。

■OEM車が継続販売される納得の理由

　ではOEM車を購入するのはどんな層なのかというと、まず最も多いと思われるのが、ダイハツ関係者もしくはそれに近しい人たちだ。

　ご存知の通り、軽自動車や小型車が中心のダイハツはある程度の車格の車両が存在しないため、関連会社の重役などが選ぶケースが多かったのだ。

　これはトヨタ ノアのOEM車であるスズキ ランディでも顕著で、首都圏などではほとんど見かける機会がなくピンと来る人も多くないだろう。

　しかし、スズキのお膝元である浜松周辺では結構な頻度で見かけるので、これはスズキ関係者が多い地域であることを物語っている。

　また上級グレードなどを求めないユーザーにとっては相見積もりを取る車種として活用されるケースも存在する。

　更に、タイミングによっては本家よりも大きな値引きが出たり早期納車が可能な場合もあるので、こだわりがなければOEM車の方が好条件というケースもあるようだ。