無人フォークとダブル連結トラックを運用開始!!　物流新時代を切り開く鴻池運輸の取り組み

　鴻池運輸は、2024年5月末から、全長25mのダブル連結トラックの運行を開始すると発表した。また無人フォークリフトによるトラックへの自動荷積みもスタートさせ、物流業界の効率化と労働環境の改善を進めている。

文／トラックマガジン「フルロード」編集部、写真／鴻池運輸・三菱ロジスネクスト・フルロード編集部

鴻池運輸初、ダブル連結トラックの導入

　今回、鴻池運輸が導入する連結全長25mのダブル連結トラックは、NEXTロジスティクスジャパン（以下NEXTロジ）と共同で運用を行ない、関東・関西間の輸送において運行する予定だ。

　具体的には、ダブル連結トラック2台を導入し、鴻池運輸の北関東流通センター営業所（群馬県邑楽郡）、京都城陽配送センター営業所（京都府城陽市）を発着拠点、NEXTロジの取引先拠点（静岡県藤枝市を予定）を中継拠点としてドライバーを交替、運行する計画だという。

　ダブル連結トラックは、1台で大型トラック2台分の輸送力を1人のドライバーで確保できるため、CO2排出量の削減効果とともに、トラックドライバー不足への対策として期待されている。

　また、1人のドライバーが関東・関西間の全行程を輸送すると、1泊2日の行程となり拘束時間が長時間化するが、中継拠点を設けることでドライバーは日帰り運行ができるようになり、労働環境の改善が見込まれる。

　共同運用を行なうNEXTロジは、ドライバー不足の解消、カーボンニュートラル、ホワイト物流の実現といった物流課題の解決を目指しトヨタグループのメンバーを中心に2018年に設立された物流企業である。

　これまでに、全高4.1m・連結全長25mの世界最大級の荷室容積を誇るダブル連結トラックの運用や、異業種混載による物流最適化、量子コンピューティング技術を用いた自動配車・積み付けシステム「NeLOSS（ネロス）」の開発など多岐にわたる取り組みを進めている。

　またこうした取り組みは、資本参加するパートナー企業や、取り組みに賛同する「NLJ Plus+」メンバー企業と共に仕組みと枠組み作りを進めており、鴻池運輸もそのメンバーとして2021年に参画している。

　今後、鴻池運輸とNEXTロジは、2024年夏頃に別の運行計画で、さらにダブル連結トラック2台を導入する予定とし、準備を進めている。

鴻池運輸が実運用を開始したトラックへの荷積み自動化

　また、鴻池運輸は、同社・神奈川綾瀬営業所で三菱重工グループの三菱ロジスネクストと共同で実施していた無人フォークリフト（以下AGF）によるトラックへの荷積み実証実験がこのほど完了し、2024年3月15日よりAGFの実運用を開始した。

　現状、工場や倉庫においては自動化が進むいっぽう、トラックへの荷積みは、トラックの車種や停車位置の違いに応じて積載位置の補正が必要であることや搬送時間の制約もあり、有人フォークリフトによる作業が中心である。

　実証実験では、トラックの荷役位置検知試験や誘導機能試験、自動化実運用に向けた能力・安全機能を検証し、その結果、変化する積載位置に応じてAGFが自らの判断で最適に稼働し、有人フォークリフト作業に匹敵する精度と時間でトラックへの荷積みを行なえることに成功した。

　トラックへの積み込み時間は、一般的な大型トラック（16パレット）1台に対して15分以内で満載が可能とされ、作業効率の大幅な向上が期待されている。

　今後、鴻池運輸では、神奈川綾瀬営業所でのAGF追加導入によるトラックへの荷積み自動化の拡大や、他の倉庫での活用も視野に展開していく考えだという。