10年使っても壊れない耐久性が自慢!! 浜名ワークスが新型エルフベースで製作したオーダーメイド平ボディの実力とは?

10年使っても壊れない耐久性が自慢!! 浜名ワークスが新型エルフベースで製作したオーダーメイド平ボディの実力とは?

 自動車を運搬する「キャリアカー」のトップメーカーとして知られる浜名ワークス(静岡県浜松市)は、ウイングボディや平ボディの生産でも知る人ぞ知る存在だ。今回は、同社がいすゞの小型トラック「エルフ」をベースに製作したオーダーメイドの平ボディを紹介しよう。

文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
※2024年3月発売「フルロード」第52号

目指したのは「壊れないボディ」

浜名ワークスがいすゞエルフNPRをベースに製作した平ボディ。車両寸法は全長6950mm×全幅2110mm×全高2940mmだ
浜名ワークスがいすゞエルフNPRをベースに製作した平ボディ。車両寸法は全長6950mm×全幅2110mm×全高2940mmだ

 今回浜名ワークスが製作したのは、いすゞ新型エルフNPR(車両総重量8トン級/4×2駆動/ワイドキャブ)をベースとする平ボディだ。

 ユーザーのリサイクルクリーン(静岡県浜松市)は、オフィスや工場、建築現場などで発生する産業廃棄物の収集・運搬をメインに、解体工事、産業廃棄物の中間処理、RPF(廃プラスチックや紙くずを主原料とするリサイクル燃料)の製造などを幅広く行なうリサイクル会社。

 主力業務の産業廃棄物の収集・運搬は、クレーン付きの平ボディで産業廃棄物の入ったコンテナを回収するというもので、今回製作した車両は主に狭い現場用という。

 ちなみに、リサイクルクリーンが浜名ワークス製の平ボディを初めて導入したのは約10年前のこと。それまでメインで使っていたメーカー完成車が強度不足で修理入庫を繰り返していたことから、修理コスト低減と稼働率アップを実現する「壊れないボディ」を目指して開発を進めてきた。

 約5年前に完成した現在の仕様は、「10年使っても壊れない」耐久性と、実用性(積載量、荷台寸法)を両立。現在も細部の改良が続けられており、今回紹介する車両が一番新しいバージョンとなる。

専用パーツを多数搭載した荷台

荷台寸法は内法長4350mm×内法幅1970mmで、最大積載量は2800kg。床面地上高は1005mm(目安値)となっている
荷台寸法は内法長4350mm×内法幅1970mmで、最大積載量は2800kg。床面地上高は1005mm(目安値)となっている

 ベース車両は前述の通り、新型エルフNPR。キャブバックのクレーンはタダノ製で、細い路地にバックで進入し、真後ろにあるコンテナを吊り上げる、というシチュエーションに対応するためブーム長が長い4段ブーム仕様を搭載。作業時の安定性を高めるためリアアウトリガーも備える。

 荷台を支える根太構造は、縦根太、横根太ともZAM材(高耐食性メッキ鋼板)製。床はアカシア材の上に鉄板を重ねる特殊仕様で、前方に雨水等を抜くための水抜き穴を設ける。この水抜き穴は開閉バルブ付きだ。

 床面左右に溶接されたL字型アングル材はコンテナストッパー。回収したコンテナをフォークリフトで降ろす際、フォークリフトに押されたコンテナが反対側のアオリにぶつかり、アオリが凹んだり傷つくのを防ぐためのものという。

 3方開のアオリは鉄製フレームに「デュラウッド」と呼ばれる樹脂材をはめ込ん、外側にアルミ板を被せた専用品。デュラウッドは木製アオリに用いられるアピトン材と比べ、軽くて丈夫で腐らないので、アオリ本体の長寿命化に寄与する。

 ちなみにデュラウッドは明るいイエローカラーをしており、これがドライバーやフォークリフトのオペレーターからの視認性アップに寄与するという。なお、アオリを保持する丁番、鳥居も特別な強化型仕様を使っているとのことだ。

 小型シャシーは架装スペースが少なく、収納スペースをどうするかが課題だが、今回は空きスペースを有効活用するべく、浜名ワークスが採寸から製作まですべて手作業で行なった、同車両専用の収納ラックを取り付けることで、収納力アップを図っている。

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