1987年1月に発売されたBe-1を皮切りに発売された日産のパイクカーシリーズ。その後もパオとエスカルゴ、フィガロが登場。さらにコンパクトクロスーバーのラシーンは30年以上経った今でも中古車価格は高騰を続けている。さて、2024年春現在、Be-1、パオ、フィガロ、ラシーンのなかで、一番高いのはどれだ?
文/ベストカーWeb編集部、写真/日産自動車
■Be-1 中古車相場:45万~179万円
Be-1に続いて1987年1月、限定1万台で販売されたパイクカーシリーズの第1弾。発売開始から1年あまりが経過した1988年5月に販売を終了し、翌1989年1月に登場するパオへとその役割を引き継いだ。
丸いヘッドライトに、丸みを帯びたレトロ感覚溢れるエクステリアデザイン。その曲線を多用したデザインを実現させるために、ボディのさまざまな部分に新素材が使用されている。通常のルーフに加えて、手軽にオープンエアを楽しめるキャンバストップ車も用意されていた。
搭載されるエンジンはマーチと同じ、52psを発生する1L、直4NAで、トランスミッションは5速MTと3速ATが組み合わされていた。駆動方式はFFのみ。
現在、Be-1の中古車相場は45万~179万円。中古車流通台数は25台。なかには1オーナー、2.8万kmで160万円という中古車もあった。200万円オーバーという時期もあったので、少し落ち着いてきたという印象だが、まだまだ高値傾向である。
■パオ 中古車相場:63万~240万円
1987 年の東京モーターショーにコンセプトカーとして出展後、1989 年1 月に登場。発売されましたが、Be-1 とは異なり、3 ヶ月間予約を受けた後に全数を生産・納車するという手法が採用されました。
車両のベースは引き続きマーチ(K10 型)ですが、内外装ともに「冒険心」をテーマにしたレトロ調の内外装で仕立てられた。車名は中国語の包(パオ)に由来し、モンゴルの遊牧民の「組立式家屋」を意味しています。
開閉する三角窓、外付けのドアヒンジ、上下2分割するリアクオーターウインドウ、インテリアもシフトノブやステアリングホイール、メーター、スイッチノブなど、とても手の込んだ、とても現代にはできないレトロな仕上げ。
パオは3ヶ月間の受注期間をもうけ、その間に予約された台数分を生産・納車する方法が採られた。なんと5万台以上の受注を獲得し、Be-1を上回る記録となり、最長1年半もの納期待ちとなった。
パオの中古車相場は63万~240万円。中古車流通台数は24台。100万円以下は多走行車が多く、100万円代後半から程度のいいものが増えてきて、最高価格は240万円(1989年式、8.9万km)のエンジンオーバーホール済み車。
そのほか、パイクカー専門店「オレンジロード」が販売している5工程55項目のリメイクレストア車も流通しており、最高価格は224万円(1989年式、4.4万km、1オーナー)という車両もあった。
■フィガロ 中古車相場:99万~458万円
パイクカー第3弾として1991年2月に発売されたのがフィガロ。販売台数を限定2万台とし、3度に分けて抽選する、という販売方法が採られた。開発陣は女性ということもあり、どこか女性的なレトロモダンなデザインは今見ても優雅。
インテリアも、専用設計のスイッチや本革シート、スイッチやメーター回りのメッキパーツを、アイボリーの内装がうまくまとめており、クラシカルで優雅。1つ1つのパーツを見ても、コストを考えたら現在ではとてもできないだろう。
初代マーチのプラットフォームやパワートレーンを流用していることには変わりはないが、エンジンと3速ATはマーチターボを流用し、ターボと電子制御燃料噴射装置のECCSで装備しているので走りもおもしろい。海外、特にイギリスで大人気となっており、ミュージシャンのエリッククラプトンさんも入手されたという話もある。
フィガロの中古車相場は99万~458万円。流通台数は34台。1オーナー車や極上車は軒並み200万円オーバーとなっており、最高価格はなんと458万円! とはいえ、全塗装、エンジン載せ替え済み、ルーフ張替済みとかなりお金をかけている1台。
そのほか、パイクカー専門店の「オレンジロード」の在庫車で、6.5万kmで341万円という在庫車もあった。
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