写真/Photo Project PHOTO-ON 山田太一氏
去る2024年6月9日、富士スピードウェイにて日本初のバガーレースが実現した。長瀬智也氏など著名人の活躍、アメリカの「キング・オブ・ザ・バガーズ」さながらの大迫力の走りは、大きな話題と注目を集めている。
その同日、はるか西の近畿スポーツランドにて、もうひとつのバガーレース(?)が開催されていたことは知る人ぞ知る。その名も「チャンプ・オブ・ザ・ボックス」。カブにボックスを積載した「働くバイク」が競い合う熾烈な戦いはまさに純日本製キング・オブ・ザ・バガーズ。その様子を紹介したい。
「ハコ付きバイク」の祭典は偶然本物のバガーデビューと同日に
奈良県生駒市のペイントショップ「はっぴぃえんどプロジェクト」代表がアメリカで大人気の「キング・オブ・ザ・バガーズ」のニュースを目にして、ハコ付きバイクが走るのは面白い! と今年初めて開催されたのが「チャンプ・オブ・ザ・ボックス」。キング・オブ・ザ・バガーズはハーレーやインディアンのクルーザーモデルにバッグを搭載した巨大な「バガー」が全力で競い合う迫力のレースだが、日本の「バガー」といえばリアボックスを積載したビジネスバイクだろう! というわけで、「ルーツ・ザ・原チャリ」特別開催会「働くバイクで8時間耐久」レースのスプリント枠として開催が決定した。
そんなチャンプ・オブ・ボックス、初開催された2024年6月9日は、偶然にも富士スピードウェイにてバガーレーサーが日本初参戦した「MAX10」と同日。代表曰く「完全に偶然で……(笑)」とのことだが、運命のいたずらというべきタイミングの良さだ。この初戦では5台のカブがそれぞれ「バガースタイルに敬意を表した」スタイルでエントリー。まるでバットフェアリングのような旭風防や、ホームセンターボックスで仕上げられたカブたちが活躍し、会場を沸かせたのだ。
バガースタイルに敬意を表した5台のカブたち
この笑みがこぼれるレースを企画した「はっぴいえんどプロジェクト」は、1991年から50cc限定のレース「ルーツ・ザ・原チャリ」を開催。「古いバイクを走らせたり、仲間でワイワイやることを趣旨とする人達を最優先します」というレースの趣旨通り、集まるバイクは50ccの空冷旧車ならほとんどOKというレギュレーションで、マニアックなミニバイク愛好家たちで大いに盛り上がり、今年で33年目を迎えた。
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