ヒット車にはもちろん「売れているだけの理由」があるはず。当企画では、ヒットを飛ばしているモデルをとりあげ、そのクルマの魅力の部分も含め、なぜ売れているのかを検証していくバイヤーズガイド! そのクルマの“魅力のツボ”がわかってくる!(本稿は「ベストカー」2013年7月10日号に掲載した記事の再録版となります)
文:渡辺陽一郎、竹平素信、国沢光宏、片岡英明、鈴木直也
■根強い人気のワゴンRに、ホンダのNシリーズも好調!
1990年代の終盤から、軽自動車の売れ筋は全高が1600mmを超える背の高い車種。4名乗車時の居住性が優れ、荷室も広くて実用的。背の低い車種は一部の低価格車を除き販売が低迷。
人気が根強いのはワゴンR。1993年の初代以来販売は好調。現行は昨年登場で燃費性能を大幅向上させた。シートアレンジが多彩で後席も快適な仕上げ。
ライバルはムーヴ。昨年末に改良を受け、低速域の衝突回避支援機能を設けた。新参N-ONEは個性的な外観で内装は上質。乗り心地も優れ、クルマ好きにも人気。
以上の3車は全高が1600~1700mmの間に収まるが、1700mmを超える背の高いスライドドア付きの軽自動車も充実。
2011年末に登場したN-BOXは、軽乗用車では最大級の室内空間が特徴。後席を畳めば大容量の荷室になる。ライバル車のスペーシアは今年登場で、後席にスライド機能を設けてた。
ボックスティッシュの収納場所など、子育て世代向けの機能が充実。各車とも驚くような新機能があり、これが売れる秘訣。(TEXT/渡辺陽一郎)
【画像ギャラリー】オーナーの生の声も掲載! 初代ホンダN-ONE&N-BOX 初代スズキスペーシア&5代目ワゴンR 5代目ダイハツムーヴが「売れた理由」(5枚)画像ギャラリー■ホンダ 初代N-ONE(115万~165万円)
日本の国民車となる軽自動車は低燃費+広くて使い勝手がいい室内、というのがユーザーが第一に求める要素だと思う。よってハイトワゴンがバカ売れ状態。しかし、そのなかにあって、N-BOXよりグンと背の低いN-ONEが大健闘している。
なぜか。とにかくデザインがしゃれている。インテリアもしかりだ。軽が氾濫する街中でも、こいつだけはパッと目がいく。見ただけで購入したくなるぞ。
しかも、乗ってみれば広くて快適な室内に大満足。燃費に不満もないし、走りもスムーズだ。最安価のターボが設定されているのも魅力だな。(TEXT/竹平素信)
●オーナーズVoice(東京・Rさん)
・デザインが可愛くて愛嬌のあるところ
・NAでも必要充分なエンジン性能
●人気グレード
・1位…G・Lパッケージ(29%)
・2位…PRemium・Lパッケージング(20%)
・3位…G(16%)
●人気オプション
・1位…ナビパッケージ(2万5000円)
・2位…ディスプレイオーディオ(6万円)
・3位…ブラックインテリア(2万5000円)
●販売台数(1~4月)…4万6926台
【画像ギャラリー】オーナーの生の声も掲載! 初代ホンダN-ONE&N-BOX 初代スズキスペーシア&5代目ワゴンR 5代目ダイハツムーヴが「売れた理由」(5枚)画像ギャラリー■ホンダ 初代N-BOX(126万~180万円)
タントやスペーシアと比べたとしよう。まず「これだ!」とココロに響くのは、安全性向上に絶大なる効果を持つ横滑り防止装置VSAを標準装備していること。
ファミリー層にとって「安全」は素敵な武器になる。
さらにセールス担当から「普通車に乗っている人も軽自動車に乗っている人も命の大切さは同じです」などと背中を押されれば、ひとたまりもない。それでいて価格を見るとライバルより割安だったりするのだから驚く。
もちろん広い室内スペースや、質感の高いインテリアも決め手の一つ。意外にも燃費や車重はその次の選択基準らしい。(TEXT/国沢光宏)
●オーナーズVoice(東京・Sさん)
・後部座席が圧倒的に広くて快適
・軽なのに高速でも力不足を全然感じない
●人気グレード
・1位…標準G・Lパッケージ(37%)
・2位…カスタムG・Lパッケージ(31%)
・3位…カスタムT/C(14%)
●人気オプション
・1位…HID(6万円)
・2位…ナビパッケージ(2万5000円)
・3位…右側パワースライドドア(5万円)
●販売台数(1~4月)…8万5983台
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