ランクル天国オーストラリアはガチ過ぎ! まじで「生きて帰る」が日常 鉄バンパーの最強仕様がハンパない

ランクル天国オーストラリアはガチ過ぎ! まじで「生きて帰る」が日常 鉄バンパーの最強仕様がハンパない

 ランクルの故郷はもちろん日本だが、その日本とほぼ同数のランクルを売る地域がオセアニア。なかでもオーストラリアは、「ランクルなしでは暮らせない」という人がいるほどのガチのランクル王国だ。現地にはいったいどんなランクルが生息しているのか、現地でじっくり観察してみた!

文と写真/山本シンヤ

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■世界の道の8割が存在するオーストラリア

オーストラリアでは生活にランクルが溶け込んでいる
オーストラリアでは生活にランクルが溶け込んでいる

 オーストラリアでのラリー取材に行く直前、塩川編集長から「ランドクルーザーの生息を探ってください」と。さすが最新の70オーナーならではのリクエストである。 

 ランクルシリーズのターゲットカスタマーは、「地球上でもっとも過酷な地域で使う人」であり、そこに合わせてモノづくりを行ない、グローバル1スペックで世界に提供を行なってきた。その信頼が“ブランド”となっているのは、言うまでもないだろう。 

 では、ランクルのニーズが多い地域はどこか? 1つはアフリカだ。アフリカにはランクルでないと行けない道があり、ランクルがなければ生活できない人、ランクルが止まると命を失う危険性がある人が数多く存在する。つまり「命を守るクルマ」であるため、第一に悪路走破性/堅牢性/耐久性が求められる。 

 もう1つはオーストラリアである。実はオーストラリアには“世界の道”の8割があると言われており、これにすべて適応できるクルマはランクルのみ……と言われているそうだ。

■オーストラリアの判断がランクルを決める

現地で開催されたラリーの一コマ。オフィシャルの車両ももちろんランクル
現地で開催されたラリーの一コマ。オフィシャルの車両ももちろんランクル

 今回メルボルン~セールまでの往復約500㎞と、ラリーが行なわれるSS近辺を走っただけだが、時々刻々と変わる“道”に驚いた。 

 例えば、都市部は日本と変わらないような綺麗な舗装路面だが、郊外に出ると中央の白線もない対面通行で路肩もなく、舗装は荒れて所々穴が開いている所も(ただし制限速度は80~100㎞/h!!)。延々と直線が続くところもあれば、ワインディングのようにコーナーが多く起伏の大きな道も存在する。

 一方、非舗装路も多く、硬い地盤に細かい砂が乗ったフラットダートから、波状路が続くような急こう配の山岳路、雨が降るとヌタヌタになる泥ねい、更には川渡りから岩登りなどなど、とにかく多種多様……。 

 つまり、オーストラリアでは悪路走破性/堅牢性/耐久性に加えて、オンロードでの操縦性や快適性、更には安全性能、環境性能も含めた“総合性能”が求められる。

 そのため歴代ランクルは必ずこの地で厳しい評価・試験が行なわれているのはもちろん、TMCA(トヨタオーストラリア)にはより厳しい目でチェックする専門のテスト部隊も……。 

 ちなみに70の大幅改良でVSC装着や環境性に優れる2.8Lターボのクリーンディーゼルに変更されたのは、オーストラリアからのリクエストだったと言われている。 

■郊外はガチのランクルだらけ!

まさに生活するためのカスタム
まさに生活するためのカスタム

 では、肝心なランクルはどれくらい生息していたのか? メルボルン空港から出発してフリーウェイに乗るもランクルは全く見かけない……。「これは企画倒れか?」と心配したが、都市部を離れるにつれて、続々と発見!! 

 それも300系や70系はもちろん、プラド(オーストラリアでは250は未発売)まで一通り!! ちなみにラリー参戦を行なった大竹直生/竹藪英樹選手もレッキの時はプラドを使用。「道の厳しさからランクルで本当に助かりました(大竹選手)」という声ももらった。更にオフィシャルやメディアカー多くもランクルが活用されていた。 

 それも日本のようにピカピカに磨き上げられたモデルやエアロ付きは皆無で、多くはリフトアップ(車高上げ)、シュノーケル、そしてノーマルよりも頑丈なフロントバンパー(それも鉄製パイプがフロントからサイドまで回り込む本格的なモノ)のオフロード3点セットの装着モデル……要するに“ガチ”勢ばかりなのだ。当然、車体にはその証拠を示す様々な“跡”が走行中でもシッカリ確認できるほど。 

次ページは : ■旅のレンタカーには「ランクル」を指名せよ!

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