バイクに欲しい装備は3位グリップヒーター、2位ABS、1位は? 平均年齢はまたも上昇! 自工会が新車購入者の実態を調査

バイクに欲しい装備は3位グリップヒーター、2位ABS、1位は? 平均年齢はまたも上昇! 自工会が新車購入者の実態を調査

 日本自動車工業会が2025年度に実施した「二輪車市場動向調査」の結果を発表。どんな人が新車を買っているのか、どんな使い方をしているのか、さらに希望する装備&機能など、様々なデータから興味深い実態が見えてきた。

文/沼尾宏明

 
 
 

新車を購入した人の平均年齢は+1歳の56.5歳に

 4月14日、日本自動車工業会が会見を行い、2025年度に実施した「二輪車市場動向調査」の結果を発表した。この調査は、国内メーカーの新車購入者を対象に25年以上にわたって隔年で実施しているもので、定期的なバイクの市場動向調査としては業界唯一。2021年から輸入二輪車についても調査されている。

2025年度二輪車市場動向調査 報告書

 国産車は書面とWEBでアンケートを行い、2024年6月~2025年5月に新車を購入した4164人が回答。輸入車は2022年6月~2025年5月の新車&中古車購入者が対象で、200人が回答した(輸入車はWEB調査のみ実施)。

 まず注目したいのは購入者の平均年齢。この調査は毎回恒例となっており、2013年に初めて50歳を突破。基本的には増加傾向にあり、今回は前回から+1歳の56.5歳という結果に。年齢の構成比では60代が最多で、50代が続く。前回までは50代が最も多かったが、ついに今回は60代が逆転しており、やはり新車購入層の高年齢化が進んでいる。

 なお、女性比率は15→16%に微増。輸入車ユーザーは平均54.5歳で、国産車ユーザーより2歳若い。

 購入形態は53%が買い替え(前回52%)、再購入が19%(前回19%)、増車17%(前回16%)、新規11%(前回12%)で、買い替えと増車が微増。新規ユーザーが微減している。

 週間使用日数は前回平均の3.1日から3.2日に微増し、月間走行距離は平均235kmから229kmへ微減した。



2021年度から回を追うごとに60代が増加。一方で40代以下が減少している。平均年齢は2021年度に若返ったものの、10年前と比べて+3.6歳となっており、ライダーの高齢化を実証する形となった。

 
 
 

バイクに欲しい“三種の神器”が判明!

 調査では、回ごとに個別のテーマを設け、深堀するトピック調査も実施している。今回興味深かったのは、ユーザーが希望する機能・装備の調査だ。

 新車購入時に未装着だった場合で、希望する機能・装備は「LEDヘッドライト」が39%で1位。2位は37%と僅差で「グリップヒーター」、3位は「ABS」(31%)だった。これらがライダーの欲しい“三種の神器”と言えるだろう。

 なお、「DC電源ソケット」(27%)、「スマートキーシステム」(26%)も人気が高かった。

 上位3アイテムは、特にスクーター原付第二種で希望数が多い。一方、126cc以上のユーザーになると「ETC車載機」「クイックシフター」「電子制御クラッチ」を望む人が多くなり、特にETC車載機は50%超え。オンロード401cc以上に限るとETC車載機を欲しい人が「71%」と非常に高い割合だ。



LEDヘッドライトは、白い光とコンパクト化によるデザイン性向上、省電力がポイント。従来の電球に代わり、この10年ほどでバイクにも急速に広まった。



グリップを電熱で暖めるグリップヒーター。回答者の中には「グリップヒーターは手の甲が温まらないのでハンドガードをつけている」という人も。



ABS(アンチロックブレーキシステム)は、急ブレーキでのタイヤロックを防ぎ、転倒しにくくなる装置。2021年10月以降生産の126cc以上に装着が義務化された。51~125ccは前後連動ブレーキでもOK。

 
 

満足度ではETC車載機がダントツ、価格アップの許容額は「3万円以下」が最多

 購入したバイクの機能・装備の満足度を見ると「ETC車載器」が92%とトップで、ほとんどのユーザーが満足している。次いで「グリップヒーター」「クイックシフター」「スマートキー」の満足度が高かった。

 車種別ではETC車載器の満足度がオンロード小型二輪(401cc~)で高く、同車種では「グリップヒーター」「TFT液晶メーター」の満足度も高くなっている。このほかオンロード全般で「DC電源ソケット」、軽二輪と小型二輪で「LEDヘッドライト」の満足度が高い。

 「欲しい装備」では1位だったLEDヘッドライトが、「満足度」ではETC車載機やクイックシフター、スマートキーに逆転されるという結果だったのが興味深い。

 また「新たな機能・装備の追加による価格上昇の許容額」という質問に対しては「3万円以下」の比率が最も多く、中央値で2.6万円。車種別では、スクーター小型二輪(401cc~)、オンロード小型二輪(751cc~)がそれぞれ7.3万円、7.1万円と高く、排気量の増加に伴い許容額も上昇する傾向だった。



ETC車載機とグリップヒーターの満足度が非常に高い。欲しい装備とは違って、シフターとスマートキーも上位に入っている。

「ヒヤリ・ハット」は使用頻度に関わらず80%発生する!?

 トピック調査では「ヒヤリ・ハットの経験有無」も質問。ご存じかと思うが、“ヒヤリ・ハット”とは、走行中にヒヤリとしたり、ハッとしたりと事故が起きる一歩手前の危険な状態を指す。これを全体の79%が経験していた。

 購入二輪車の使用頻度別にヒヤリ・ハットを見ると、使用頻度に関わらず「経験有」の比率は概ね80%前後で大差ないという結果に。「週に5日以上乗る人」と「2、3か月に1回乗る人」がほぼ同じなのは意外だ。



使用頻度に関わらず、ヒヤリ・ハットは発生。たまに乗る場合も決して気は抜けないということだろうか。

 なおヒヤリ・ハット「経験無」の比率は、使用頻度「1週間に1~4日」の層で多く、この層はスクーター軽二輪(126~250cc)が比較的多かった。

 ヒヤリ・ハット経験で最も多いものは、「自動車との接触」の72%。「走行中の横転や転倒」(41%)が続き、「二輪車との接触」「歩行者との接触」「ガードレールへの接触」が各17%だった。

 「自動車との接触」が特に多いのは、オンロード小型二輪(751cc~)の男性50~60代、複数台所有、買い替え層。「走行中の横転や転倒」は、男性30代で多く、「歩行者との接触」はビジネス原付第一種(~50cc)、買い替え層で多くなっている。

 なお、ヒヤリ・ハット経験の有無別に任意保険加入状況を見ると、経験ありの任意保険加入率は93%。経験なしは87%で、若干低くなっている。

「バイクに興味を持ったきっかけ」は必要性のほか、周囲の影響が大きい

 「二輪車に興味・関心を持ったきっかけ」のトピック調査で、最初のきっかけとなったのは「移動手段として必要になった」がトップ。次いで「友人・知人が乗っていて」「乗っている人が楽しそうだった」「乗り物として魅力を感じた」が続く。



「バイクに興味・関心を持ったきっかけ」全体の単数回答では「移動手段として必要になった」が31%とダントツ。周囲の人を実際に見たことがきっかけになったケースも多い。

 実際バイクに乗るようになったきっかけでも「移動手段として必要になった」がトップ。4位までの結果も最初に関心を持ったきっかけと同じだった。

 「購入二輪車のメーカー選択理由」では、「デザイン・スタイル」「信頼性」「品質」が上位。オンロード、スクーター、男性若年層は「デザイン・スタイル」が多く、「乗って楽しさを感じる」「個性的」はオンロード、ビジネス、男性高齢層が多かった。一方、スクーターや女性は、安全性を挙げている。



「購入二輪車のメーカー選択理由」では「デザイン・スタイル」がトップ。他にも「信頼性」「品質」が上位で、昔のようにスペックは重視されていない模様だ。

 個別面談した調査では、タンデム走行を経験して「風を切る感覚」を体感したり、アニメや映画で登場したバイクに対して「かっこいい」といった感覚を抱いた瞬間が興味を持ったきっかけと話す人も。タンデム走行の結果、逆にバイクが嫌いになったという経験者もいたそうだが、総じて実際に見て、乗ってみて興味を抱くケースが多かった。

【概況】需要台数と新規免許取得者数はコロナ禍以前の水準に

 報告書では、バイクに関する概況がまとめられていたので最後に紹介したい。

二輪車需要台数、保有台数

 二輪車需要台数は、2015年度以降30万台後半水準で推移したが、2021年度にはコロナを機に“密”を避けた移動が可能なバイクのメリットが広まり、42万台を突破。その後はコロナ禍以前の水準へ戻り、2023年度以降は再び30万台後半の水準で推移している。

 保有台数は近年1100万台から緩やかに減少してきたが、2022年度に微増した後、再び微減傾向に。2024年度は1027万6000台となっている。

 なお日本全体の人口構成を見ると、2015年以降総人口の減少傾向の継続が見込まれている。年齢別では70代以上の人口が増加傾向にあり、今後のさらなる高齢化進行が予測されている。

二輪免許取得者数

 新規免許取得者数の推移では、普通・大型二輪免許は、2017年度まで減少傾向だったが、2018年度以降回復した。2021~2022年度のコロナ禍に30万人を超えたが、2023年度以降は再び30万人を下回り、2020年度と同等の水準へ戻っている。

 原付免許は一貫して減少傾向が続く中、2020~2021年度にやや増加して9.6万人に。2022年度以降は微減し、2019年度と同等の9.3~9.4万人の水準に戻っている。普通・大型免許に比べて増減の変動が小さい。



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