じつは筆者は、ワイズギアやアクティブが手がけたパフォーマンスダンパーを、これまで何度か体験しているが、傾向としてはどの車種用も同じで、コーナーでライダーが入力した操作に対する車体の動きがややゆったりし、これを安定感と受け止められるのだ。また、直進安定性も増える印象で、高速巡航時の快適性と安心感が増える傾向だ。“ゆったり”はネガティブな印象かもしれないが、実際にはハンドリングに落ち着きが生まれることで、狙ったラインをトレースしやすくなる車両も多い。
一方で、ハンドリングのクイックさはやや減る傾向なので、本来はサーキット向きのパーツではない。ただし、今回の試乗で思ったのは、ウェットなら“あり”ということ。よりていねいな操作が求められる状況では、パフォーマンスダンパーがもたらす安定感は大きな武器となる。
とくに中高速コーナーでは、寝かせ始めや切り返しなどでやや重く感じるとはいえ、公道走行のレベルならそれほど気にならず、車重が大きく増えたりハンドルの操舵に影響を与えたりするパーツではないので、低速域や取り回しでの操縦性はそのまま。それでいて、バンピーな峠道とか路面の継ぎ目による影響が大きい首都高速などでは、車体が安定しやすいので安心してライディングができる。直進安定性に優れ、意図せず急激な入力があったときにも挙動の乱れが少ない。
そして、振動の低減とハンドリングの安定性向上による相乗効果で、長距離を走ったときにはとくに、「疲労軽減」にもつながる。じっくり愛車で試してみないと味わえないが、これもパフォーマンスダンパーで得られる効果のひとつだ。ゆったりロングツーリングしたいライダーを、魔法の棒はしっかり支えてくれるのだ。
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“魔法の棒”がバイクの挙動を穏やかに!「パフォーマンスダンパー」が旅の疲れも軽減!?【画像ギャラリー】
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