クルーザー×スポーツの次世代バイクで43歳ルーキー女子ライダーがバイク上達気分を体感!【インディアン 101 SCOUT試乗】

クルーザー×スポーツの次世代バイクで43歳ルーキー女子ライダーがバイク上達気分を体感!【インディアン 101 SCOUT試乗】

 バイクに乗り始めて2年半ほど……まだまだバイクビギナーという自覚はありつつも、自らをルーキー(新人)ライダーと名乗って、もっといろんなバイクに乗ってみようと思う今日この頃。そんなタイミングで、インディアンモーターサイクル(以下、インディアン)の最新スカウトシリーズの101スカウトに乗る機会を得た。1250CC、最高出力111HPに挑戦だ!

 

文:ムラタナオコ Webikeプラス
写真:長谷川徹

 

私が知っていたインディアンは幻想?ニュースカウトのワイルドさに感嘆!

 振り返るとバイクに乗り始めて1年ほどが経った時、はじめてのクルーザー試乗がインディアンのスカウトローグ(1133cc)だった。その後、スポーツチーフ(1890cc)にも乗る機会があり、この2台を通して私は「インディアンのバイクって、思っていたより乗りやすいな〜。特にスカウトローグはとってもフレンドリーで、重さも感じないし扱いやすい!ビギナーにもやさしい!」と思っていた。

 そんなインディアンの主幹モデルであるスカウトシリーズが10年ぶりにフルモデルチェンジ!最新スカウトシリーズのフラッグシップモデルである101スカウトに乗る機会を得たわけだが、試乗してすぐに思ったのだ。「なかなかワイルド〜!」と感嘆しつつ、私に楽しめるのだろうか?と一抹の不安も抱いたのだった。

 

インディアン 101スカウト

今回試乗したのは、サンセットレッドメタリックのカラー。

 

インディアン 101スカウト

新開発の水冷V型2気筒DOHCエンジン「SpeedPlus(スピードプラス)」の排気量は1250cc。101スカウトのパフォーマンスは最高出力111HP、最大トルクは109N・m。

 

インディアン 101スカウト

始動すると、ディスプレイにぼわわ〜んと煙とインディアンのロゴが浮かび上がる。カッコいいじゃないか!メーターはタッチパネル操作。

 

 車両重量は249kgあるが、スリムなVツインとロー&ロングなスタイルも相まって、実際のところ重さはさほど気にならない。これは従来のスカウトシリーズも同様で、「見た目より軽い!」という心理的な安心感は大きい。

 しかし、6インチライザーと少し広めのハンドルバーの組み合せによってハンドルはやや遠くに感じるし、フォワードステップも想像よりも前。なかなか攻めたポジションだなと思いつつ、エンジンを始動して走り始めてみると、それまで私がインディアンのバイクに対して抱いていた「(いい意味で)見た目に似合わず穏やかで、フレンドリーなクルーザー」というキャラクターは、101スカウトには当てはまらないなと痛感した。

インディアン 101スカウト

6インチライザーを備えた「クラブスタイル」のライディングポジション。アメリカでは大排気量クルーザーをベースにして走りのパフォーマンスを高めたカスタムバイクを「クラブスタイル」と呼び、昨今では一つのカテゴリーとして確立。

 

インディアン 101スカウト

シート高は680mm。身長173cmが跨った様子。写真で見るとさほど不自然さは感じないが、シート高の高いバイクに慣れ親しんでいる私には、このハンドルのポジションと視界の低さに慣れるまでは少し時間がかかった。

 

 木漏れ日がまぶしいワインディング……のんびり穏やかに走りたくなるシチュエーションに反して、101スカウトはそれを許してくれる感じがしない。モードは「レイン」「スタンダード」「スポーツ」の3パターンがあり、「スタンダード」を選んでいるにも関わらずだ。

 語弊がないように書くと、のんびり走れないわけではないし、変に急かされているわけでもないのだが、101スカウトが「こんなんじゃ満足できないよ、頼むよ、ちょっと!」と言っている感じだ。

 (こんな時だけ)え、私ビギナーですからと言い訳をしながら、少しずつ自分なりに試みる。たとえばカーブではブレーキング、旋回、立ち上がりを明確に意識。すると、少しマシになった気がした。

 
 
 

考えるな!感じるんだ!と101スカウトが言ったとか、言わないとか

 とはいえ、地底から響いてくるようなエンジンの鼓動に応えられている感じはまだ薄い。私の技量がこのバイクの平均値にも辿り着いていないと思って、直線、コーナリングと、これでどうよ?とさらに試していく。そして、これはクルーザーと思って乗らない方がいいのでは?という見解に辿り着いた。

 そう思って峠道を走ったら余計な思考や力みがなくなったのか、コーナーで「カリッ」と一瞬ステップのバンクセンサーを擦った。あわわ、擦った!と焦りつつ、このバイクを少し掴めた気がして嬉しかった。思っていたよりもスポーティなバイクでありつつ、バンク角がそんなにないことが体感できた瞬間だ。

 ようやくバイクのキャラクターに寄り添えた気がして、満を持して「スポーツ」モードに変更。意思をもってスロットルを大きく開けると、瞬時に正解!と言わんばかりの加速を見せてくれた。

 信号待ちで止まったときの視界の高さやエンジンから感じる熱も相まって、1250ccのロー&ロングということに改めて気づく。乗っているとスポーティさに感心してしまうのだが、101スカウトはクルーザーなのだ。

 たとえばスポーツ走行を愛する女性ライダーは、この「クラブスタイル」をどう感じて、どう走るのだろうか?小柄なライダーでも足つきはさほど心配ないと思うので、この101スカウトで華麗に走っていたら相当カッコいいだろうなと思う。なぜなら、このユニークなバイクで峠道を抜け、高速を駆け抜けていく真夏のワンシーンは、なんだか自分ちょっとカッコよくないか?と妙に自己陶酔感があったから。ぜひ、そんな女性ライダーに会ってみたいと願うばかりだ。

 

インディアン 101スカウト

「スポーツ」モードはさらにワイルドなので気をつけながらも、コーナリングが楽しい!気持ちいい!

 

インディアン 101スカウト

少しずつ理解がすすむと、「私バイク上達したんじゃない?」と感じさせてくれる瞬間があった。教習所で「もうバイクには乗れなくてもいい」と挫折しかけたことがだいぶ昔のことのようになりつつある。

 

インディアン 101スカウト

撮影に同行したモーターサイクルジャーナリストの小川 勤さん。遠慮がなく、気持ちいいほどガリガリとバンクセンサーを擦っていた。とはいえそんな彼も「コーナリングの組み立てをだいぶ変えて走った」とのこと。

 

ツンツンツン(たまに)デレをドヤ顔で乗る!自己満足のススメ

 少し慣れたと思っても、Uターンに気づきがあった。そもそもまだUターンに苦手意識があるとはいえ、101スカウトの場合はハンドルをきると余計に遠くなるのでフルで早めにきらないといけない。もちろん慣れもあるだろうが、走りも含めて、こうした気づきがあるたびに脳内で某キャラクターが「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と叱っている光景が浮かんだ。なんだろう、そう言われている気がするのだ。でも嫌な叱られ方じゃない。

 それにしても最新スカウトシリーズのフラッグシップモデルである101スカウトがこんな尖ったバイクだと思っていなかったので、最初は面食らった部分もある。スカウトローグ(1133cc)のように、バイクビギナーにもやさしくておすすめのクルーザーとは正直言い切れない。私の印象では、ツンツンツン(たまに)デレといった感じで圧倒的にツンが多かったのだが、でも嫌いじゃない(笑)。むしろ「これに乗ってる私カッコいいよね!」と胸をはって自慢できるような優越感を101スカウトはもたらしてくれた。

 撮影の翌日は1人で再び高速なども走ってみたが、初対面のときよりなんだか寄り添えた感じがした。まだまだ101スカウトの魅力を引き出した走りじゃないにしろ、マシになったなと言われたような気分だ。そんなこともありドヤ顔で乗っていたからか、信号待ちで隣の見知らぬ車の人から満面の笑みでサムズアップのサインをいただいたことも、忘れずに書きとめておきたい。

 

インディアン 101スカウト

全身で感じる鼓動感に加えて、マッシブな存在感も印象的な1台だ。最初は、ちょっとどう乗っていいのか分からないと思うシーンもあったが、分からないなりにバイクで試行錯誤できるようになったことも「自分、成長したな!」と自己満足の高い2024夏の思い出となった。

 


インディアン 101スカウト

インディアン 101スカウト

101スカウトのディテールを見てみよう


インディアン 101スカウト

インディアン 101スカウト

インディアン 101スカウト

インディアン 101スカウト

インディアン 101スカウト

インディアン 101スカウト
インディアン 101スカウト

ヘッドランプは特徴的なデザインのフルLED。

 

インディアン 101スカウト

テールライトはウインカーと共用。

 

インディアン 101スカウト

特徴的なステッチでデザインされたシート。

 

インディアン 101スカウト

101スカウトはキーレスが標準となっている。

 

インディアン 101スカウト

容量13Lの燃料タンクには、お馴染みのインディアンのグラフィックがあしらわれている。

 

インディアン 101スカウト

使いやすく便利なクルーズコントロール。

 

インディアン 101スカウト

倒立タイプのフロントフォークにブレンボキャリパーをラジアルマウント。フロントディスクはインナーを持たないタイプ。

 

インディアン 101スカウト

前後サスペンションは伸び側&圧縮側の減衰力とプリロードの調整ができる。

 

 

インディアン 101スカウト

「スピードプラス1250」と名付けられたDOHC4バルブの水冷Vツインエンジンは、旧モデルからボアを5mm拡大して、よりショートストローク化を実現。排気量は1133ccから1250ccに拡大。

 


インディアン 101スカウト


インディアン 101スカウト

インディアン 101スカウト

インディアン 101スカウト

インディアン 101スカウト

インディアン 101スカウト

インディアンの新生スカウトシリーズをチェックしてみよう!

 創業は1901年、現存するバイクブランドとしてはアメリカ最古の歴史を誇るインディアンモーターサイクル。そんな老舗ブランドの長い歴史のなかで、1920年にスカウトは産声を上げた。その後、激動の流れを経て、2014年に旧モデルのスカウトが誕生した。今回登場したスカウトは、エンジン、車体ともに刷新したフルモデルチェンジだ。

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