■待遇か健全化か?
一番の問題は待遇と責任である。非常に重い責任が1乗務ごとにかかる運転士の待遇としては現状では新規採用は難しいだろう。かといって安い運賃で乗客減に悩まされるバス事業者がこのままで待遇を高められるとも思えない。
要は、待遇が先か(運転士確保)、健全化(路線の合理化や廃止)が先かの問題であり、両立するには相当な資金が必要だということも頭が痛い事実だ。
その出どころは借金か公的資金しかなく、どちらを選択しても国民の負担は増す。事業者の借金ならば運賃に転嫁するので負担は増し、公的資金であれば原資は税金なので広く国民に負担がかかる。
国民的な議論が必要だが、公的資金で運転士も確保し路線も維持するのが最適解だと思われるがいかがだろうか。考え方にもよるが、これらはバス事業者の税負担を軽減させることも含まれるので、直接的な国民の増税となることだけを意味するものではない。軽油引取税や車検にかかる税負担を軽減させるだけでも経費は減るからだ。
いずれにしてもタコが足を食うことが常態化していいわけがないので、国民が広く意見を出し合うことで関心ごとである事実を政治家に認識させることも重要なのかもしれない。公共交通機関等の住民の足確保が選挙の争点になれば、政治家が慌てるのは明らかだからだ。
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