■スカニアも登場!
最後は特に存在感抜群のダブルデッカー車で、JR東海バスの高速バス車だ。今回はスカニア「アストロメガ」が登場した。以前は三菱ふそうのエアロキングがキングの名をほしいままにしていたが、生産終了によりアストロメガに順次置き換えられた。
この車両は2019年導入で、新東名スーパーライナーや夜行便のドリームなごやに投入されている。1階は4列シート、2階は独立3列のクレイドルシートだ。こちらにも開場直後から多くの人がつめかけ長い行列を作っていた。
またこれまでの名鉄バスセンターへの感謝なのだろうか、運転席横には「名鉄バスセンター 59年ありがとう」のプレートが置かれていた。そしてバスの周りには今回バスを展示している名鉄バス、JR東海バス、そして名鉄バスセンターに乗り入れている三重交通、岐阜バスもブースを出展した。
ブースではバスグッズ、部品廃品の販売が行われ、グッズを買い求めるたくさんの人が訪れていた。JR東海バスブースではイベント恒例となっている「バス縁日ゲーム」も登場し、バス釣りゲーム等も盛況であった。
■名鉄バスセンターの歴史展
これまでの名鉄バスセンターを写真で振り返るコーナーもあった。「名鉄バスセンターの歴史展」として、名鉄バスセンターができるまで、名鉄バスセンターの完成と当時の賑わい、時代のニーズに合わせてリニューアル、名鉄バスセンターで催した記念式典の記録の4つのパネルに当時の貴重な写真が展示された。
また完成を記念した乗車券、チラシやパンフレットという資料も展示され、多くの人が当時のことを振り返ったり写真に収める姿が見られた。名鉄バスセンターは今から58年前の1967年(昭和42年)6月1日にオープンした。当時の資料によると名鉄バスターミナルビルの3階、4階に位置し、ショッピングセンターのメルサや名鉄東宝という劇場、名鉄グランドホテルやオフィスが入っていた。
建物の概要図を見ると名鉄バスセンターの特長でもある大きなスロープがしっかりとイラストで図示されていたほか、当時はまだ存在していた市電の電停や「名鉄新名古屋駅」などと書かれているのもまた懐かしい。そして30の乗降場から1時間に300台、1日に3200台のバスが発着できるといい、規模ではニューヨークに次いで世界で2番目、日本では最大のバスターミナルだったそうだ。
路線図には中部圏の主要都市・各観光地への高速・長距離バスが、そして今も残る金沢行きこと名金線の文字も掲載されていた。その頃は9時間20分、1200円で結ばれていたようだ。
■残り約4か月…
今回は「名鉄バスセンター「59年間ありがとうイベント」」の様子をお届けした。残る期間はあと4ヶ月弱ということになるが、その後のことについてもパネル展で掲示がされていた。それによると現在の名鉄バスセンターは2026年3月31日をもって営業を終了し、4月1日からは周辺の道路に仮設のバス停が、また地下には窓口が移転することとなる。
これまでも告知はされていたが、今回はより詳細にバス停の位置が発表されていた。乗車バス停が赤印、降車バス停は青印で示されていたが、現在市バスのバス停があるミッドランドスクエアから南側は笹島交差点の近くとかなり離れた範囲に置かれることになる。
よって乗車の際はバス停をしっかりと調べておく必要がありそうだ。また降車に関しても遠い場所では錦通の西柳公園東交差点の先で、例えば新幹線への乗換えには約1km、15分程度はかかるので注意が必要だ。そして現段階では2033年度の第1期本工事竣工後の開業を予定しているようなので、7年程度は仮設バス停を利用することになる。当該期間は若干の不便を強いられることになりそうだ。
来年の3月末までの間に名鉄バスセンターを利用することがあれば、59年という長きにわたり名古屋にやってくる人や旅立つ人の思いを運び支えてきた名鉄バスセンターへ感謝して気持ちよく最後を送り出してほしいと願うのは筆者だけではないだろう。
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