福島県の中心地・福島の町と、同県が誇る世界的観光名所の一つである会津若松。この2点間をタクシー以外の公共交通機関で移動する際、JR線を郡山乗り換えで向かう方法のほか、直通タイプの高速バスを利用する手がある。
文・写真:中山修一
(バスマガジンWeb/ベストカーWebギャラリー内に、高速バス会津若松〜福島線にまつわる写真があります)
■会津バス/福島交通の高速バス「会津若松〜福島線」
福島と会津若松を結ぶのは、会津バス/福島交通が共同運行する高速バス「会津若松〜福島線」で、福島行きが1日6本、会津行きが6本と土日祝+1本のダイヤ設定で運行している。
乗車にあたっては予約不要で先着順自由席の、いわゆる「普通の高速バス」である点が、予約制の「特別な高速バス」がむしろ主流になっている昨今の高速バス事情と照らし合わせると、肩書きは普通ながらもちょっとだけ希少性を感じる。
全区間の所要時間は1時間50分ほど。JR線の新幹線利用時よりも10〜20分ほど長くかかるが、運賃が2,000円と、JRの2,860円よりも安価なのと、なんといっても乗り換え不要で移動できてしまうのがこのバス最大のアドバンテージ。
またJRの在来線のみを乗り継いで福島〜会津若松間を移動した場合、時間帯によって差が出るが、会津→福島は2時間前後で、福島→会津は2時間50分程度。運賃1,980円と、運賃はJR線のほうが若干安い反面、所要時間は高速バスのほうが短くなる。
■風変わりな始発バス停
よく高速バスの始発になるような場所の性質を思い浮かべてみると、大きなバスターミナルやバスの車庫、電車の駅、空港といった、何らかの交通の要衝的な機能を持つスポットに設定されているのが教科書通りな気がする。
そんな先入観を持っていると、会津若松〜福島線の始発ポイントが物凄く変わっている……と思えてくるところも、この高速バスのミステリアスで楽しい一面かもしれない。
ここでは福島→会津若松の進行方向で見ていくとして、福島側の福島駅前にもこのバスは来るのだが、駅が始発ではなく3kmほど離れた「福島競馬場前」が、バスが最初の1コマを進める場所だったりする。
福島競馬場前バス停は他の高速バスの始発にもなっており、もしかすると競馬場の前にロータリーか何かが作られていて、バスターミナル的な施設でもあるのかな? と思った。
実際のところどうなっているのか現地へ様子を見に行ったところ、福島競馬場前にロータリーのような設備はなかった。
国道脇と歩道上にバス設備を後付けしたような、やや横長サイズながらも、全体的には停め置き不可なごく普通のバス停の様相が目の前に広がり、ほんとにここ高速バスの始発なの!? と、軽いカルチャーショックを受けた。
■2本の高速道路を活用した都市間移動
2025年11月現在に利用した当日の便は会津バス担当分。側面にMEXのロゴが入った、ハイデッカー車で乗合バス仕様の日野セレガが使われていた。
所要時間が2時間を切るくらいの短さであるためか、この路線にトイレ休憩や車内トイレは原則ないそうで、当日の車両にはトイレが付いていたものの使用不可(故障中)の貼り紙がドアに掲げてあった。
競馬場前から乗車。やはり停留所の構造上、車を停めておける時間がほとんどないと見て、始発ながらも時間ギリギリにやってきて、お客さんをパッと乗せてサッと出ていくスタイルだった。
福島市街地を走り、福島市役所、福島駅前に立ち寄りながら、市内を流れる荒川にかかる橋を渡り、東北本線/東北新幹線の線路をクロスして、しばらく西に進む。
高速道路にはどこで乗るのか観察していると、福島西インターでE4東北自動車道に乗った。その後、郡山ジャンクションでE49磐越自動車道に推移。磐越自動車道の走行中、進行方向右側に見えてくる磐梯山が特に大きな見どころだ。
それから会津若松インターまで走行して高速を降りて、会津若松市内に入り一般道→終点まで向かう、1時間50分ほどの行程となっていた。マップ上で経路を見ると逆L字のようなラインを描く。
全区間の走行距離は95kmくらいあり、そのうち80.8kmが高速道路の区間。都市間高速バスの位置付けであるため、福島市街地もしくは会津若松市街地の中だけの区間利用は不可。二本松バスストップが乗車のみ/降車のみの境界線になっている。







