相鉄バスはNTTドコモビジネス株式会社を代表機関とするコンソーシアム8社および横浜市と連携し、よこはま動物園ズーラシア近隣エリアにおいて、自動運転バスの走行(レベル2)に関する実証実験を実施した。
執筆・写真(特記を除く)■諸井泉 取材協力■相鉄バス株式会社/フォームの始まりNTTドコモビジネス株式会社 (バスマガジンWeb/ベストカーWebギャラリー内に、最近増えてきた神奈中バス新色車両の写真があります)
■エリア全体を見通した自動運転制御!?
本実証は2026年1月17日から1月22日まで実施されたが、1月16日には報道関係者向けの公開走行が行われた。本取り組みは昨年度に続くものであり、観光地特有の交通課題を抱えるエリアにおいて、自動運転技術の実用性と有効性を検証することを目的としている。
今年度の実証では、新たに車両と路側インフラとの双方向通信を導入した点が大きな特徴である。具体的には、スマート道路灯などに設置された通信機能を活用し、車両が周辺の交通状況や環境情報をリアルタイムで取得し、車両制御に反映させる仕組みが構築された。この路車間通信により、単独の車両センサーに依存しない、エリア全体を見通した自動運転制御が可能となった。
■道路インフラや通信技術と連携した運行
検証された主な課題と対応内容では次の2つがある。
(1)観光地特有の交通渋滞への対応
よこはま動物園ズーラシア周辺では、休日を中心に来園者の自家用車による交通渋滞や、駐車場入庫待ちの車列が発生しやすい。そこで本実証では、路側インフラから取得した交通情報を基に、これらの車列を即時に把握し、進路変更や速度調整を行うことで、渋滞を回避しながら自動運転走行を行うことを可能とした。
(2)見通しの悪い道路環境での安全性確保
対象エリアには、見通しの悪いカーブ区間や幅員の狭い道路が存在する。そこで本実証では、対向車両の位置情報に路側インフラを通じて共有することで、対向車同士が安全にすれ違うための走行調整(離合制御)を実施した。これにより、人が運転する場合でも慎重な判断を要する区間において、自動運転による安定した走行が確認された。
本実証実験は、総務省の令和6年度補正予算事業である「地域社会DX推進パッケージ事業(自動運転レベル4検証タイプ)」に採択されて実施されたものである。自動運転レベル4の社会実装を見据え、通信インフラ、車両制御、運行ノウハウを一体で検証する取り組みとして位置付けられていた。
今回の実証を通じて、自動運転バスが単に「車両単体の技術」にとどまらず、道路インフラや通信技術と連携することで、現実の交通課題に対応できる段階に近づいていることが確認された。特に、観光地や生活道路が混在する地域において、自動運転が公共交通の持続性を支える有効な手段となり得る可能性を強く印象づける内容であった。











