日本最古クラスにも対面可能だと!? バス旅中に見に行ける保存蒸機機関車 〜北海道・静岡・鹿児島〜

日本最古クラスにも対面可能だと!? バス旅中に見に行ける保存蒸機機関車 〜北海道・静岡・鹿児島〜

 引退した蒸気機関車が静態保存されている場所は今も全国にたくさんあり、保存蒸機巡りが一つのテーマになるほどだ。ここではマイカー/レンタカーを使わず、路線バスや鉄道での旅の最中に立ち寄って見学できる機関車群を、北海道・静岡・鹿児島から1両ずつピックアップして紹介していこう。

文・写真:中山修一
(バスマガジンWeb/ベストカーWeb内本文上とギャラリーに、バス旅中に見に行ける保存蒸機の写真があります)

■北海道・沼田町のクラウス15号

クラウス15号のいる沼田町ほろしん温泉付近
クラウス15号のいる沼田町ほろしん温泉付近

 2026年4月に全線廃止されたJR留萌本線の、旧・恵比島駅から6kmほど山中に入った先に「ほろしん温泉」という温泉宿泊施設がある。この施設と道路を挟んだ向かい側で余生を送っているのが「クラウス15号」だ。

クラウス15号。沼田町のシンボリックな鉄道車両だ
クラウス15号。沼田町のシンボリックな鉄道車両だ

 クラウス15号は1889年にドイツのクラウス機関車製造所で作られた1台。長さ7.9m、動輪が片側2つだけの「B」の車軸配置を持つ、かわいらしいサイズのタンク機関車だ。

 九州鉄道向けに輸入されたのを皮切りに、今日の東急東横線のルーツである東京横浜電鉄の建設に活用。その後北海道に渡り、現在の保存機が置いてある沼田町の周辺にあった炭鉱で石炭運搬を担当。1967年12月まで現役を続けた。

130年以上もの年輪を感じさせないほどキレイに整備されている
130年以上もの年輪を感じさせないほどキレイに整備されている

 1969年に同地の炭鉱(昭和炭鉱)が閉山した後に、クラウス15号は沼田町に譲渡されて、今日も良い状態のまま保存されている。

 現存する小型蒸気機関車としては日本最古クラスではないかと言われているのも特徴の一つで、2026年4月時点で沼田町指定文化財、準鉄道記念物、日本遺産「炭鉄港」構成文化財と3つの肩書きを持っている。

とてもキュートな姿に対して現役当時の使われ方は結構ヘビーだった模様
とてもキュートな姿に対して現役当時の使われ方は結構ヘビーだった模様

 車庫が作られており、展示時間外は庫内に機関車を「アント」と呼ばれる機械で押し引きして収納。日中だけ表に出てくる方法が取られているようで、場所柄5月上旬から10月末までと期間が限られているので訪問時は要確認。

 タクシー以外の公共交通機関での移動はバスのみ。沼田町営バスの終点「幌新温泉」で下車して徒歩1分くらい。観光利用にも使い勝手の悪くないダイヤ設定になっているので、ほろしん温泉に宿泊していくのもオススメ。

この機関車を見に行くのも幌新温泉へ足を運ぶ理由に
この機関車を見に行くのも幌新温泉へ足を運ぶ理由に

■静岡県・天城ふるさと広場のD51

 続いては静岡県の伊豆半島。修善寺駅から土肥方面に15kmほど、国道136号沿いにある「天城ふるさと広場」で展示されているD51。

天城ふるさと広場に静態保存されているD51
天城ふるさと広場に静態保存されているD51

 「デゴイチ」の愛称でも知られる、日本で最も有名な貨物用蒸気機関車D51の243番目「D51 243」だ。

サイドに白など色差しを行っていない硬派なスタイルを再現?
サイドに白など色差しを行っていない硬派なスタイルを再現?

 D51 243は1939年に製造。主に広島・山口周辺で長く活躍していたD51と言われており、1974年に山口県の長門で廃車になっている。

 特に伊豆半島にゆかりのある機関車というわけではないようだが、後世に蒸気機関車の姿を伝えていく役割を担って1974年に静岡県へと渡り、1998年に現在の天城ふるさと広場へやって来た。

ご当地感を連想させるヘッドマークで飾り付けがしてある
ご当地感を連想させるヘッドマークで飾り付けがしてある

 追加で外付けされた「あまぎ」のヘッドマークがワンポイント。山の上に蒸気機関車が置いてある立地条件がユニークに思える。

 D51 243への公共アクセスは、東海バスW30/W39系統(修善寺〜土肥方面)を利用して「天城ふるさと広場口」で下車。徒歩15〜20分といったところ。

ナンバープレートは前後左右4枚ともレプリカ
ナンバープレートは前後左右4枚ともレプリカ

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