三重県四日市市の「勢の國交通」では大型観光バス「らくバス30」を走らせている。バスマニアなら名称から30人乗りという仕様は推測できるだろうが、三重県内でおそらくこれ1台の貸切タイプバスを見て見よう。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
■これは九州の昼行高速仕様か?
30名乗りヒョンデユニバースのハイデッカー車がその正体。貸切バスとしては珍しい2+1列の3列シートのコンフィギュレーションは、少し前の九州内昼行高速バスで多く見られたレイアウトだ。
昨今では高速バスでさえ4列シートが当たり前になっているが、貸切で3列はなかなかお目にかかれない。
もっとも3列高速車を貸切車として指定することもできなくはないが、最初から3列貸切バスというのはおどろきだ。その理由について、同社では3点を挙げた。
まず、アフターコロナでこれまで叫ばれ続けたソーシャルディスタンスだ。一定の距離を置くことで安心を得たいという乗客の要請でもある。
次に体の大きな方でもゆったりと座りたいという要望もあったようだ。これも納得の理由だ。
最後に疲れの少ないバスで旅行したいという要請だ。これは乗車したことがある方ならばお分かりだろうが、いくら補助席がないワイド4列シートでも3列車と比較すると疲労度はけた違いだ。
観光目的でも送迎目的でもなるべく疲れないバスがいいという要望は確かにある。それに応えた格好だ。
■車両料金は特別を通り越して超お値打ち!!
気になる料金は、貸切バスの料金に特別車両料金が加算される。しかし同社では手軽に利用できるようにと付加料金は貸切料金の5%に設定している。
人数が集まれば(とはいえ30人でよい)ゆったり3列の貸切バスを5%増しで手配できるのはうれしい限りだ。
三重県内には多くの観光資源や鈴鹿サーキットで行われるイベント、そして何と言っても神宮が存在するので会社やグループ等の団体で貸切バスを手配する機会も多いだろう。
疲れ知らずの3列シート車で旅行をエンジョイしたい。実際の手配は同社や旅行会社を通じて指定ができる。
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