羽田や成田のような大空港と、バスでの交通アクセスはセットのようなものだが、もっと規模の小さなローカル空港でもそれは変わらないようだ。その実情をちょっと掘り下げてみよう。
文・写真:中山修一
(写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBでご覧ください)
■1日たった1往復だけの空港
電車やバスと同じく飛行機にもローカル線はある。そんなローカル線がハブ空港から向かう先の空港もまたコンパクトにまとまっている場所が多い。
なかでもユニークなのが、北海道の「オホーツク紋別空港」。札幌から北東に約280km、あるいは北海道を地図で見て2時の方角、オホーツク海に面した地域に位置する地方管理空港だ。
2023年現在、オホーツク紋別空港にやってくる定期便は、なんと羽田発着の1日1往復だけ。100人以上乗れるジェット機が就航していて、これほど便数が少ない日本の空港は紋別くらいしかない。
■クルマがなくても大丈夫?
現状1路線のためだけに確保された極み系ローカル空港として、大変なレア度を輝かせる魅惑の航空スポットであるが、交通アクセスはどうなっているだろうか。
オホーツク紋別空港の設備を見ると、駐車場(232台)完備に加えレンタカー店が営業しているのは一般的な空港の水準に則っている。
普通乗用車はともかく問題は公共交通機関だ。オホーツク紋別空港から最も近い街が紋別にあたり、約7km離れている。
街まで歩いて行くには少々キツい。近くを走っていたJR名寄本線は1989年に廃止となって30年以上が経ち、やはり空港連絡バスでも欲しいところである。でもそこはローカルといえ旅客用の空港……しっかりサポートしているようだ。
■バスにタダで乗れるって!?
オホーツク紋別空港へのアクセスバスは2路線用意されている。まずは近隣の紋別市内にある紋別バスターミナルと空港を約17分で結ぶ路線だ。
2023年は3月26日~10月28日までの期間中、1日1往復の運行。空港から紋別へ向かうバスは飛行機到着およそ15分後に出発、空港行きは飛行機が出発する大体1時間ほど前に到着する時刻設定になっている。
2路線目は、オホーツク紋別空港から約40km離れた遠軽町の遠軽ターミナルを発着するアクセスバスで、所要時間は1時間10分。運行期間と便数、空港出発/到着のタイミングは紋別バスターミナル便とほぼ同じだ。
この2路線、何と運賃が無料という手厚いサービス内容に驚かされる。ただし遠軽ターミナル便のほうは、3営業日前までの予約が必須であるのと、当日の飛行機のチケットを持っていることが利用条件だ。