■街の平和を守る回送バス!?
ちょっと例を挙げてみると、近年はびこる社会の闇を斬る回送バスが静岡県に登場している。英語表記の「OUT-OF-SERVICE」だけを残し、日本語パートは「振り込め詐欺に注意!!」と大書きされた回送表示だ。
これは静岡県のバス事業者・富士急シティバスの路線バス車両で見られる。前後に加え、側面の表示器にも本来は経由地を表示する4箇所に、「振り込め 詐欺に ご注意 ください」と分けて器用に表示している。
振り込め詐欺に注意という名前の停留所など、どこを探してたって実在しないのは歴然。日本語の「回送」をカットしてあっても営業中のバスではない、と誰でも区別がつくハズで、紛らわしさとは無縁の有益な行先表示器の活用法と言える。
■めでたいことなら大きな声で!!
記念すべき出来事があった時に、バスの回送表示を利用している事業者もある。奈良県のバス事業者である奈良交通は、1943年7月23日に創業して今年80周年を迎えた。
奈良交通が運行する路線バス車両の行先表示に注目すると、回送の文字を左側に寄せて、右側に創立80周年である旨をアピールした一文を添えている。
記念メッセージには、「奈良交通創立80周年」と「おかげさまで80周年」の2パターンがあるようだ。小型のポンチョから大型のエルガまで、同社の回送バスなら殆どの車に表示されている。
元々事務的で無機質だった回送表示も、LED化の恩恵を受けつつ自由な世界に突入。今や営業中のバスの行先表示を食うほどに面白くなってきた!?
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