■中扉引戸で乗降性向上と労力軽減を
のちにワンマンバスの主力となる4枚折中扉はこのような趣旨で採用されたが、同じころから各メーカーも、中引扉を“広幅扉”の名でツーマン車にオプション設定するようになる。
広幅といっても4枚折のように相互に2列乗降まではできなかったが、乗降のスムーズ化はできたことと、自動扉によって車掌の労力軽減になったことから、採用した事業者も多かった。
【写真5】【写真6】は長尺車によるラッシュバスとしての採用、【写真7】は輸送力より広幅自動扉の機能を重視したとみられる一般的な長さの車両での採用例である。
その後ラッシュバスも長尺ワンマン車が中心になっていく。【写真8】は1967年導入の阪急バスのニュータウン路線用車両だが、三菱の一般モデル最長のMR420前後扉で、リヤオーバーハングが長いため、後引扉と戸袋窓の後ろにさらに窓がつくという特異な外観であった。
その後乗降性を高める3扉車が一部地域で普及するが、それはまたの機会にまとめることにしたい。
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