最後の国産2階建てバスがダイヤ改正で定期運用離脱ってマジ?

■新東名へ!

上から見下ろす車窓もダブルデッカーならでは
上から見下ろす車窓もダブルデッカーならでは

 出発時刻となりバスは静かに走り出した。バスターミナル周辺には引退のニュースを聞いてだろうか、何人かがカメラを構える姿が見えた。しばらく一般道を走行したあと、名古屋高速道路へ、その後伊勢湾岸自動車道を経て新東名高速道路を走行する。

 一般道ではそれなりの揺れがあったが、高速道路は路面状態もいいので揺れも小さくなり安定している。ただ2階建てという高さがあるので独特のふわふわとした揺れがたまに感じられる。

 夜行便であればこの揺れにまかせてウトウトと眠りに落ちてしまうところだ。今回は昼行便なので前には大きな窓と景色が広がっている。よって退屈することはなさそうだ。

■744-10993快走中!

遠州森町PA
遠州森町PA

 静岡県に入ったところでアナウンスが入り、最初の休憩場所である遠州森町パーキングエリアに到着した。ここで15分の休憩となった。この時間を利用して撮影タイムだ。やはり見上げるとダブルデッカーだけあり、高さとその大きさには圧倒される。

 今回乗車した744-10993号車は2010年式でエアロキングの最終形式である。走り出してからは14年の歳月が流れているが、ロゴやボディに古さや傷もなくしっかりと整備されている車体はとても綺麗である。日夜安全快適に乗客を目的地へ送り届けるために入念に点検をしていることに感謝である。

 再び走り出したバスは順調に走行し2ヶ所目の休憩場所である足柄サービスエリアに着いたのは14時30分であった。同じく15分の休憩というアナウンスがあったあと乗客が次々と降りていった。

ジェイアールバス関東のスカニアと顔合わせ
ジェイアールバス関東のスカニアと顔合わせ

 筆者も少し遅い昼食を買うため降車した。先程の遠州森町パーキングエリアとは違い、ここには各社の高速バスや観光バスが多く停車しているので様々なバスが顔を合わせる。この日はJR関東、西日本バスやウィラー、岐阜バスの車両を見つけることができた。

 場所柄外へ出るととても寒かったが遠くの雪景色を望みながら停車するバスを時折撮影する姿を見かけた。また引退のニュースを聞いていたからなのか他のバスに乗車している乗客もこのエアロキングを見つけると取り出したスマホで撮影しているようだった。

■渋滞遅延で東京駅に到着!

富士山を正面に見るのもダブルデッカーならでは
富士山を正面に見るのもダブルデッカーならでは

 その後も順調に走行を続け、東名高速道路を東に向かう。まだ先日の雪が路肩に残るのを見ながらようやく都内へと入っていく。前面には大きなフロントガラスがあるが、東に向かっているので日差しを気にすることもなくゆっくりくつろぐことができた。

 首都高速内では各所で渋滞が発生していたため、東京料金所を抜けた先にある用賀パーキングエリアに臨時停車を行うアナウンスがあり、降車ボタンを押した乗客が降りていった。渋谷駅方面に急ぐ場合は当地から東急田園都市線を利用するのが良い。

 渋滞を通過しながら霞ヶ関、そして終着の東京駅には約30分遅れでの到着となった。荷物の受け渡しが終わると車内の確認作業を行い、足早にロータリーから走り去っていった。

■惜別! エアロキングさま~!!

このラインがエアロキングの特徴
このラインがエアロキングの特徴

 今回は間もなく定期便から引退することが発表されたエアロキングに乗って名古屋駅から東京駅まで乗車した。個人的にはずっと昔からお世話になっていて、上京する際はよく2階建てバスを選んでいた。思い出もたくさんあり、まだまだ走り続けてくれると思っていたので、とても寂しく悲しい気持ちである。

 そして今回印象的だったのは出発地の名古屋駅、終着地の東京駅はもちろん停車していた休憩場所などあちこちで何人もの人がカメラにバスの姿を収めていたことだった。経緯はどうあれ、それぞれの記憶に残してもらえることは嬉しいしエアロキングという車両が愛されていた証拠なのではないだろうか。

シンプルなLED方向幕ともお別れ
シンプルなLED方向幕ともお別れ

 残念ながら運行終了までは残り少しとなり、お別れ乗車をしたい人が多いからなのか、座席予約サイトで見てみると空席はわずかになっている。乗車が叶わない場合は3月1日以降に引退イベントも計画されているようなので、検討してみてほしい。 台数も期間も残りわずかのエアロキングは、その名が示す通りバスにおける「王」の最後の雄姿をぜひ目に焼き付けてほしい。

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