■無料駐車場完備でパーク&ライドが可能!
高速道路が近い道の駅ということで、車でのアクセスも容易だ。武生インターが至近で、西には国道8号線が走り、他都市への移動もスムーズだ。また駅を利用したパークアンドライドもできるように、無料駐車場が約600台用意されており、通勤やビジネス利用のケースにも対応している。もちろん新幹線や高速バス利用のために車を駐車して出発することもOKだ。
観光という点ではレンタカー店舗があるほか、カーシェア、レンタサイクルもあり、各種の移動手段に対応しているのが魅力的だ。さらに鉄道駅に道の駅が加わっていることで、産地直送の新鮮な野菜・海産物、銘菓や民芸品などのお土産や食事ができるほか、観光案内所もあるため越前市や福井県全域の観光情報やパンフレットを手にすることもできる。
休憩所やトイレは24時間利用できるのも、道の駅である長所をうまく生かしている。福井駅との比較では東京まで片道330円の違いしかなく、自動車の駐車料金を考慮すると、ここから出発する方が便利でお得だとPRしており、当該地域に居住している人には利便性が上がるといえる。
しばらく駅周辺にいると、ラッピングされたマイクロバスがやってきた。越前市が運行しているシャトルバスで、はぴラインふくい武生駅や市内の宿泊施設を回り大河ドラマ館(武生中央公園)を結んでいる。現在放映中の大河ドラマ「光る君へ」のラッピングが施され、バス停にも紫式部のイラストが描かれている。
この日もイベントに来た来場者だろう、多くの人がバスに乗車していった。毎日運行され、始発は6時10分、最終は23時15分と運行時間帯も長く、始発の東京行きかがやき、最終の東京からのかがやきに連絡している点などもありがたい。
■新幹線専用駅の試練は全国共通の課題?
今回は北陸新幹線の新駅、越前たけふ駅を紹介した。駅の設備としてバス停があったりレンタカーやシェアリングサービスがあったりというのは、大都市の駅なら当然に思えるが、福井県越前市という地方都市で、高速道路インターと国道に挟まれた立地に新幹線が加わり実に交通の要衝として恵まれた場所ではないだろうか。
それは単純観光だけではなく、当駅を起点として提供される多くの移動手段を使って福井県内、北陸への移動が簡単にできるようになった点も考慮する必要がある。現にこの立地の良さを生かそうと建設当初は周辺に田園が広がる景色だったのが、周辺では埋め立て工事と建設工事がスタートしているのが確認できた。
東京と直結したことで大きな企業や商業施設・工場の誘致となれば雇用が生まれ活性化にもつながる。越前たけふ駅の駅舎は「伝統・文化を未来につなぐシンボルとしての駅」としてコウノトリが羽ばたく姿をモチーフにしたデザインということであるが、そのイメージのように未来に羽ばたく素晴らしい駅になってもらいたい。
新幹線単独駅は離れた市街地の鉄道駅に新幹線を伸ばせなかったことが要因で孤立した駅になりがちだ。これは北陸新幹線に限らず老舗の東海道新幹線でも同様で新幹線単独駅の永遠の課題ともいえる。二次交通としてのバスや道の駅を接続させて、駅そのものを活性化させることができるかどうかが注目される。
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