北海道留萌市在住の写真家・佐藤圭さんが撮った貴重な動物、風景写真をお届けする週末連載。第17回は、圭さんが日本一と絶賛する留萌の夕陽です。
「日本の夕陽百選」にも選ばれている留萌の夕陽。特に、圭さんが「爆焼け」と名付けた夕焼けは、この世のものとは思えない美しさで、「死ぬまでに1度は見たい」と絶賛されています。
今回は、圭さんが、約20年にわたって撮りためてきた夕陽の写真の中から「太陽と海が織りなす色彩のマジック」といえる逸品を選びました。ぜひ、ご堪能ください。
写真・文/佐藤圭
見られるのは年に数回の絶景ですが…
私が住む北海道留萌市は、「日本一の夕陽の町」をウリにしています。市のカントリーサインは、もちろん日本海に沈む夕陽です。
留萌の「黄金岬」から見る「爆焼け」は、あまりの美しさに鳥肌が立ち、涙があふれそうになります。
しかし、その夕陽の美しさはさほど知られてはいません。その理由は、美しい夕陽を見ることの難しさだと思います。
知床五湖や函館の夜景、富良野のラベンダー畑のように、行けば必ず見られる景色とは違い、鳥肌が立つほどの「爆焼け」はいつも見られるものではないんですよね。水平線が曇っていたらまず無理ですし、雨が降れば絶望的です。特に冬は、ほとんど晴れる日がありません。
僕は、約20年ほど、留萌の海岸から夕陽を見つめ続けていますが、「これは凄い!」と言える夕陽が見られるのは年に数回です。
でも、留萌には、夕陽以外にも楽しみがたくさんあります。
思わず、「甘い」とうなりたくなるホタテ、ウニ、甘エビ。生産量日本一の数の子。海鮮天国の留萌では、お寿司はどのお店で食べても美味しいです。
近頃、人気の北海道米「ゆめぴりか」「ななつぼし」は、留萌産が最高レベルの評価を得ていて、留萌産の小麦「ルルロッソ」で作ったパスタは、風味豊かでモチモチしていると大人気です。留萌は炭水化物天国でもあります。
高台の「千望台」も夕陽鑑賞のポイントです。夏には、遠く利尻・礼文島まで見通せ、真っ青な海には心が洗われます。
留萌市の花・ハマナスは、夏になると海岸沿いを鮮やかなピンクの花で彩ってくれます。また、夏の盛りにアジサイとヒマワリとコスモスが同時期に咲くという北海道ならではの風景は、本州以南から来る人には面白いんじゃないでしょうか。
豊かな海での釣りも良いですね。チカやサバは港でも簡単に釣れますし、岩場では、ソイなどのロックフィッシュも狙えます。砂浜からは、サクラマスやヒラメが釣れて、アングラーには人気です。
サーフィンも楽しいですよ。世界三大波濤のひとつに数えられる海なので、ガイドブックにも載るほどの極上の波が立ちます。
旭川空港から車で約1時間半、新千歳空港からは約2時間15分。高速道路が留萌市内まで繋がっていて交通の便は良いです。去年、留萌ICの側に新しく「道の駅るもい」もできました♪
でも、なんといっても、留萌最大の魅力は「爆焼け」の夕陽です。僕が写真を撮るようになったのも、サーフィンの最中に見た「爆焼け」がきっかけでした。
年に数回しかありませんが、「爆焼け」の夕陽を一度見てしまうと、瞬時に留萌の夕陽の虜になってしまいます。その夕陽を追って、毎年、留萌を訪れるカメラマンもいるくらいです。
コロナが落ち着いたら、ぜひ、一度、留萌へ来てみてくださいねぇ~。
佐藤 圭 kei satou
1979年、北海道留萌市生まれ。動物写真家。SLASH写真事務所代表。フランスのアウトドアブランド「MILLET」アドバイザー。
日本一の夕陽と称される留萌市黄金岬の夕陽を撮影するために写真家の道に入る。北海道道北の自然風景と野生動物を中心に撮影を続け、各地で写真展を開催し、企業や雑誌、新聞などに写真を提供している。
2018年、エゾナキウサギの写真「貯食に大忙し」で第35回『日本の自然』写真コンテスト(主催:朝日新聞社、全日本写真連盟、森林文化協会)で最優秀賞受賞。
ウェブサイト:https://www.keisato-wildlife.com/
Facebook:https://facebook.com/kei.sato.1612
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