北海道留萌市在住の写真家・佐藤圭さんが撮った貴重な動物、風景写真をお届けする週末連載。
第26回は、そばの生産で有名な北海道幌加内町を紹介します。
圭さんのよると、幌加内は、そばだけではなく、北海道ならでは幻想的な風景が楽しめる絶景の町でもあるんだそうです。
写真・文/佐藤圭
夏、どこまでも続く白いそば畑と満天の星空の天の川!
北海道幌加内町には3つの日本一があります。
まずは、作付け面積日本一を誇るそばです。
幌加内は、昼夜の寒暖の差が激しく、冷涼な気候がそば作りに適しているので、うまいそばがたくさん穫れるんです。東京の名店でも幌加内のそば粉を使っている店が多いみたいですよ。
幌加内は、1年に2度雪が降ると言われています。1度はもちろん冬の雪。豪雪地帯ですから、がっつり雪が積もります。そして、もう1度は、7月末から8月中旬。幌加内は一面真っ白なそばの花に覆われます。どこまでも続く白い花のじゅうたん、壮観ですよ。
2つめの日本一は、人造湖としては日本で最も大きな朱鞠内湖です。昭和18(1943)年に完成した雨竜第一ダムによってせき止められたダム湖で、広さは東京ドーム約507個分あります。
朱鞠内湖周辺にはレストランやキャンプ場もあり、道北に住む道民の憩いの場になっています。キャンプ場に泊まった朝、夜明けのブルーアワーの湖は、この世のものとは思えない幻想的な姿を見せてくれます。
また、朱鞠内湖には、絶滅危惧種の幻の魚・イトウが棲み、釣り人に穫っては垂涎の的です。湖面が凍結すると、良質なワカサギを狙って、多くの釣り人が訪れます。
そして、3つめは、日本一寒い町だということ。昭和53(1978)年、幌加内町母子里(もしり)で、マイナス41.2℃という日本最低気温を記録しました。
幌加内は、気象庁の記録の対象になっていないため、明治35(1902)年の旭川のマイナス41℃が公式記録となっていますが、実質的には、この幌加内が、日本一寒い町なんです。
母子里には、この最低記録を記念して、つららをイメージしたモニュメント「クリスタルピークス」があります。ここから見る満天の星空は圧巻です。
夜空を埋め尽くす星たちを見ていると、昔の人々はこの中からどうやって星座を決めたんだろうと不思議でなりません。夏には、夜空にどーんと天の川が横たわります。
コロナが収束したら、ぜひ、魅力満点の幌加内町へおいでください。
佐藤 圭 kei satou
1979年、北海道留萌市生まれ。動物写真家。SLASH写真事務所代表。MILLETアドバイザー。
日本一の夕陽と称される留萌市黄金岬の夕陽を撮影するために写真家の道に入る。北海道道北の自然風景と野生動物を中心に撮影を続け、各地で写真展を開催し、企業や雑誌、新聞などに写真を提供している。
2018年、エゾナキウサギの写真「貯食に大忙し」で第35回『日本の自然』写真コンテスト(主催:朝日新聞社、全日本写真連盟、森林文化協会)で最優秀賞受賞。
ウェブサイト:https://www.keisato-wildlife.com/
Facebook:https://facebook.com/kei.sato.1612
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