北海道留萌市在住の写真家・佐藤圭さんが撮った貴重な動物、風景写真をお届けする週末連載。
第31回は、とても珍しいエゾリスの子供の画像をお送りします。
そのリスは、神社の境内に棲んでいて、しっぽが真っ白なので、地元では神の使いではないかと評判になっています。
写真・文/佐藤圭
【画像ギャラリー】愛嬌たっぷりの白尾エゾリス。かわいい寝姿も
エゾリスはなんと4兄弟でした
北海道最大の神社・北海道神宮(札幌市)は、毎日たくさんの参拝客が訪れる神社です。その鎮守の森で、とっても珍しいエゾリスの子っこが生まれました。
長くエゾリスを観察しているカメラマンも、初めて見たと驚いていました。
通常、エゾリスの体の色は灰色がかった茶色なんですが、なんとしっぽだけが真っ白なエゾリスが生まれたのです。
白という神性を表す色のしっぽを持つうえに、鎮守の森で生まれたリスなので、見かけた人たちは、口を揃えて、「神の使いではないか?」と言います。
僕も見た瞬間、「こりゃあ、ただもんじゃない。神……いや、天使か!」と思いました。白く輝くしっぽは、それほどまでに神々しかったのです。
しかも、白いしっぽのエゾリスは4兄弟だったのです。僕が目撃したのは3兄弟だけだったのですが、あとから地元の人に聞いたら、白しっぽの子リスはもう1匹いるそうです。兄弟は仲が良くて、木の上で楽しそうに遊んでいました。
遺伝が関係した突然変異だとは思いますが、とても珍しく貴重なエゾリスだと思います。
この鎮守の森には、エゾリスを愛する人たちがいて、「しろっぽ」と名付け、毎日、優しく見守っています。時にカラスの攻撃に遭うエゾリスたちを守ったりもしていました。
成長したらどんな姿になるのか? この子たちの子供はどんな姿で生まれて来るのか? 想像は膨らみます。
いつもは動物たちの保護のために、撮影場所をピンポイントでは書かないのですが、今回の白いしっぽのエゾリスについては、既にテレビニュースでも報じられているので書きました。もし、北海道神宮を訪れるなら、エゾリスたちを驚かさないように、距離を保って見守ってくださいね。
佐藤 圭 kei satou
1979年、北海道留萌市生まれ。動物写真家。SLASH写真事務所代表。MILLETアドバイザー。
日本一の夕陽と称される留萌市黄金岬の夕陽を撮影するために写真家の道に入る。北海道道北の自然風景と野生動物を中心に撮影を続け、各地で写真展を開催し、企業や雑誌、新聞などに写真を提供している。
2018年、エゾナキウサギの写真「貯食に大忙し」で第35回『日本の自然』写真コンテスト(主催:朝日新聞社、全日本写真連盟、森林文化協会)で最優秀賞受賞。
ウェブサイト:https://www.keisato-wildlife.com/
Facebook:https://facebook.com/kei.sato.1612
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