未だにはびこる「女のくせに」
ゆで: 元ダンナの話するとな、結婚して2年の間に8カ月間遊んでんねん。10数回仕事変わってんねん。でも子供産まれたら変わっていくやろと思ったんだけど、同じやったわ。
で、3番目の子がお腹にいてる時にまた仕事やめて、この人どうするやろ思っててん。「失業保険は貰わな損や」って。私らにしたらさ、失業保険もらってる間に1カ月でも2カ月でも早く仕事してほしいわけやん。世間体もあれば子供の目もある。
私が「あんた家事せえ」言うた。だけど「それはでけへん」って……。家のことするわけでもなし、職安は息つまるからってパチンコばっかり行き始めて。それでようよう辛抱できへんようになってきて、結局別れたんやけど、そんな考えの男がまだまだおるやん。
尾山: 「女だから」っていうのが現場に行ってもあるしね。ユンボのオペレータなんか、女だからと思って甘くみて、しこたま積むんだよ、こっちが言ったって「ふざけんな」って言い返される。
だけど男の人にはそんなことしないし、言ったりもしない。まだまだ女は女でしかない。社会がどう変わっていったって、末端ではまだまだ「女のくせに」っていうのがすごく多くて、それでもうまくやっていかないといけないということが未だにある。
積んでいる量が多いから「減らして」って言ったって、「減らさない」と言われて、そのまま過積載で走らなければいけない。それで捕まったって、私の責任なんだよ。
一回つくられたものを変えていくっていうのは、よっぽどじゃないと無理だよね。男女平等だとかいっているけど、末端のほうは、昔ながらの考えの中で、うまくかわしてやって行くしかない。
みゆ: うちの会社なんかは割と女の人大歓迎で、今は私ともう一人しかいないけど、過去には女性が何人もいました。だから職場によってもずいぶん違うと思うな。あとは世代だよね。ダンプ屋さんなんかけっこう年齢層高いからね。
尾山: ダンプの世界はそういうところがまだまだ残っているんだよね。みゆさんやゆでさんのトレーラとか、一般貨物ではけっこう受け入れられているみたい。
宅配便なんかも女性を積極的に採用しているしね。逆に客先では女の人のほうが細かいことに気づくし、仕事もきちんやってくれるから、女性ドライバーを歓迎するところもあるよね。
(後編に続きます。次回は「休日」「給料」「運転技術」などの話です)
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