2022年6月に発売された日産サクラ。軽自動車のBEVというポイントが大きな話題を呼んだモデルだ。他にはあまりない軽自動車のBEVという特徴を持つこのモデルは実際どんなニーズに売れているのだろうか? 今回は気になる色々を日産に聞いてみた!!
文/西川昇吾、写真/NISSAN
【画像ギャラリー】え、もうそんなに経ったの?? 今だからこそ聞きたい!! 電気自動車サクラのニーズとは(30枚)画像ギャラリー■1年間での受注台数は5万台超え
発表から3週間で1万1000台を受注するというスタートダッシュを切ったサクラ。昨年7月には受注の累計台数が5万台を超えたという発表があった。
年間で約5万台という数字を考えると、2023年の1年間における軽乗用車ランキングで言えばギリギリトップ10に食い込めないポジションとなっている。
なお、サクラ順位だが2023年は37140台で15位に付けている。
現在も1か月あたり3000~4000台がコンスタントに販売されているとのこと。過去のBEVモデルの実績を考えたら大健闘と言える数字だ。
これまでにも高価格ではないBEVはあったが、軽自動車ということを全面に打ち出し、BEVを良い意味で特別扱いしない。
そんな庶民派BEVなマーケティングが功を奏しているのではないかと思う。
■幅広いユーザー層から支持を得ている
サクラが登場した時180㎞という航続距離が話題となった。「軽自動車は1回の走行距離が短いから自宅で充電しておけば問題ない」という考えの下であった。
だが実際にはどんなユーザーが購入しているのだろうか? そんな疑問もぶつけてみると「幅広いユーザーがいる」との回答が返ってきた。
流石にマンションなどの集合住宅で使用しているユーザーは少ないそうだが、自宅に充電設備を有する人ならば、ユーザーは都会でも地方でもどちらでも見受けられるとのことだ。
また、航続距離の短さをネックに感じるかもしれないが、サクラ1台で生活をしているユーザーも多いとのことで、180㎞という航続距離は軽自動車の使用ニーズを十分にカバーできていると言えるだろう。
ちなみに急速充電を使用できるプランに申し込むユーザーは他のBEVモデルに比べて少ない。
それは、ほとんどのユーザーが日ごろは普通充電を使用していて、エマージェンシーで急速充電を使用している形になるそうだ。
なお、BEV初所有というユーザーは約半分とのことで、このあたりも他のBEVとは違うポイントと言える。
この約半分という結果は、既存の軽乗用車ユーザーを上手く取り込むことが出来た成果が表れている。
■販売現場での長年のBEV対応が花咲いた
BEVの1車種という枠組みで歴史と照らし合わせて見れば、サクラは成功したモデルと言える。
この成功にはサクラのコンセプトが需要とマッチしていることや製品としての完成度が高いからという理由もあるが、販売現場のBEVに対するノウハウが蓄積されてきた面も大きいはずだ。
日産はリーフに始まり、国産メーカーとしては先陣を切ってBEVに取り組んできた。
販売現場も長年BEVを取り扱ってきただけあって他のメーカーのディーラーに比べて慣れているのも大きい。
サクラは自宅で普通充電をするユーザーが多いが、自宅に充電設備を導入するサポートや業者の紹介もスムーズに行ってくれる。
BEVがあるライフスタイルを具体的に提案するノウハウが他のメーカーのディーラーとは異なるのだ。
リーフ時代から積み上げてきたBEVの販売ノウハウがサクラで花開いた形となった。
世界のトレンドからすればサクラ/ekクロスEVは異端とも言えるBEVかもしれないが、日本のマーケットのことをしっかりと読み取った軽自動車のBEVだからこそ成功することが出来たのだ。
これまでの日産のBEVへの取り組みを含めて、長年の築き上げたものがサクラで生きた結果が表れたと言えるだろう。
【画像ギャラリー】え、もうそんなに経ったの?? 今だからこそ聞きたい!! 電気自動車サクラのニーズとは(30枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方