【そっけない無塗装ウレタンバンパーをなぜ使う?】コストの安さと利点は?

ハイエースの無塗装バンパーとカラードバンパー

乗用ながらビジネスユースでも使われているアクアでは、フロントグリル内に小型の材着バンパーを目立たぬように装備。これにメッキ加飾を与えた仕様を最廉価のLグレードを用意する
乗用ながらビジネスユースでも使われているアクアでは、フロントグリル内に小型の材着バンパーを目立たぬように装備。これにメッキ加飾を与えた仕様を最廉価のLグレードを用意する

 ハイエースの標準ボディについても追記しておきたい。参考までに一般的なトヨタ車のフロントバンパー交換費用としてアクアの場合も調査した。まずはその金額から見ていきたい。

●アクアのフロントバンパー
●部品代:約5万3500円(バンパー約4万6000円+細かなショートパーツ約8500円)
●工賃:約2万円
=合計:約7万4000円(税込)

 では、ハイエースのカラードバンパーと無塗装バンパーの交換費用はどうか? 

右が無塗装バンパー、左がカラードバンパー
右が無塗装バンパー、左がカラードバンパー

【ハイエースカラードバンパー】
●部品代:約7万5000円(バンパー約7万4000円+細かなショートパーツ1000円)
●工賃:約8000円
=合計:約8万3000円(税込)

【ハイエース無塗装バンパー】
●部品代:約4万5500円(バンパー約4万5000円+細かなショートパーツ500円)
●工賃:約1万4500円
=合計:約6万円(税込)

 工賃が変わるのは少々意外であるが、やはり無塗装バンパーには価格的なメリットもあるようだ。

トヨタのプロボックス/サクシードの3分割効果

トヨタの商用車、プロボックスDX
トヨタの商用車、プロボックスDX
プロボックスのFグレードはボディ同色バンパーとなる
プロボックスのFグレードはボディ同色バンパーとなる

 トヨタの商用モデルで注目したいのは、プロボックス、サクシードの特徴的な「3分割式バンパー」だ。

 トヨタらしい“おもてなし”として、修理費を抑えられることを狙って、フロントパンバーは中央と左右コーナーで3分割され、廉価モデルのDXグレードなどのコーナー部の黒い部分は「塗装されていないPPの素地」(トヨタ広報)とのこと。

 価格については調べを進めると、コーナー部分は片側で約6000~7000円のようだ。

 なお、前後バンパーがボディ同色塗装となる上級グレードの設定価格は1万6500円となっているから、価格面で買い得感があることは間違いない。

 他のトヨタの商用モデルを見ると、タウンエース/ライトエースのDX(上級のGLにも設定)では、インドネシアのダイハツ工場で2008年から生産、日本に輸出されているが、フロントに大型の無塗装の一体成型バンパーを採用されている。

 想像できるのはコスト抑制とともに、生産面での作りやすさにも配慮されていることだ。

細かい設定を施すダイハツ

ハイゼットカーゴでは、フロントのバンパー中央部分とサイド下部の“コーナーピース”と呼ばれる部品のみ“黒色・材着”の非塗装品としている。メーカーオプションでボディ同色塗装品も選べる
ハイゼットカーゴでは、フロントのバンパー中央部分とサイド下部の“コーナーピース”と呼ばれる部品のみ“黒色・材着”の非塗装品としている。メーカーオプションでボディ同色塗装品も選べる

 続いて軽自動車の商用車に目を向けてみよう。ダイハツの商用軽であるハイゼットカーゴ(乗用はアトレーワゴン)について、ダイハツ広報に聞いてみた。

 回答としては、現行ラインナップで無塗装(材着でもない)バンパーの使用例はあるかといえば、「ハイゼットでは使用しておりません」とのこと。リアバンパーについては、ハイゼットカーゴはカラードバンパーのみとされている。

 フロント中央部(バンパーグリルとでも呼ぶべきだろうか)については、「バンパー中央部のグリルは黒色・材着品の別体部品となっておりますので、塗装は施しておりません。上記についてはダイハツのラインナップすべてに当てはまります」と回答を得た。

 ハイゼットカーゴについては、前後ともにバンパー全体を黒色・材着としている仕様はなく、フロントバンパーの外側部分に“コーナーピース”呼ばれる、交換可能な黒色の材着パーツを設定しており、メーカーオプションでボディ同色塗装品も選べる。

 なお、乗用軽のウェイクの商用車バージョン(ハイゼットと差を付けるために後席を省いた前席2座のみの仕様)の「ハイゼットキャディー」では、グリル周りに“原着・無塗装”品を与えて、コストダウンに対応している。

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