人生の中でも大きな金額の買い物となるクルマ。おそらく多くの人がローンを使うが、その審査はなかなか緊張する。最近では短期間での乗り換えを想定した残価設定ローンが人気で、敢えてローンを使う人も珍しくない。そこでローンに「通る・落ちる」はどこで決まるのか元銀行員でマイカーローンを担当し、元自動車ディーラー営業マンでもある筆者が自動車ローンの勘所をお伝えしていく。
文:佐々木 亘/写真:ベストカーWeb編集部・@AdobeStock トップ画像(mirifadapt@AdobeStock)
【画像ギャラリー】うぉぉぉ!! 流石に新型プレリュードはローン組んででもほしいぃぃ!!(10枚)画像ギャラリーディーラーローンも銀行ローンも初期審査は機械的
銀行のマイカーローンや自動車ディーラーのローン(クレジットとも呼ぶ)は、どちらも基本的には担保を取らずに行う無担保融資だ。住宅ローンのような、抵当権を貼り付ける有担保融資とは仕組み自体が大きく異なるので注意しよう。
まず無担保融資の場合、契約の中に保証会社というものが出てくる。これは債務者(ユーザー)が支払い不能状態に陥った場合に、債権者への支払いを代わりに行い、債権者に変わって債権を引き継ぐ会社だ。
お金の貸し手である銀行などが、ユーザーの債務不履行などにより、債権回収できなくなるのを防ぐ目的で、ローン契約の中に登場してくる。
無担保融資の場合、貸し手である銀行の意見はもちろんだが、この保証会社の判断というのもローンが通る・通らないに重要な意味を持ってくるのだ。
ほとんどの銀行系マイカーローンの場合、仮審査と言われる初期審査では、保証会社が保証するに足るユーザーであるかどうかを判断しているといっても過言ではない。ネット申し込みなどで行われるこの審査は、機械的な判断で行われているのだ。
判定は、現在の収入と無担保借入の額は適正か、そこへ自動車ローンが加わっても返していけるか(返済比率のチェック)、仕事は安定しているか(給与の額と勤続年数チェック)、金融事故はないか(グレー・ブラックはNG)程度のモノ。
ここで大きくはじかれてしまうのは、金融事故(長期延滞や強制解約・債務整理・自己破産など)情報があるユーザーくらいだ。3か月以上の返済遅れやクレカの未払いがあると5年間は履歴が残る、いわゆるグレーの状態になる。
自己破産は10年もの間、信用情報機関に履歴が残るブラックという状態となる。現在進行形で信用情報がブラックやグレーの状態に無ければ、仮審査は安心して通ると思っていいだろう。
金利の安い銀行ローンは返済比率チェックが厳しい
ディーラーローンより銀行ローンの方が金利は安いわけだが、その理由は審査の厳しさにあると言っていい。特に、返済比率に対するチェックが厳しいのが銀行ローンだ。
返済比率とは、年収に占める年間のローン返済の割合のこと。契約する全てのローンの年間返済額÷税込年収で計算ができるので、ぜひ計算してみてほしい。今回借り入れをする自動車ローンの返済額を、年間返済額に含めるのを忘れずに。
算出された小数点以下の数字をパーセンテージに直し、それが30%以下なら心配はほとんどいらない。30%を超えてくると、本審査で否認されることも出てくるので、銀行ローンを通したい時には、他の借り入れを少し整理すると良いだろう。
なお、ディーラーローンでは返済比率までを厳しく見ることは少なく、信用情報にキズが無ければ審査通過することが多い。借り入れが多く、返済比率が心配なら、ディーラーローンを使うのも一つの方法だ。
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