超売れているミニバンと言えば、トヨタのアルファード・ヴェルファイアとノア・ヴォクシーを思い浮かべるのではないか。セレナやフリードといった他メーカーの売れ筋モデルはあるものの、アルヴェル・ノアヴォクの兄弟が束になってかかったらひとたまりもない。現在ではキングオブミニバンと言われるアルヴェルに対して、ミドルサイズのノアヴォクはちょっと地味な印象だが、販売台数でみるとノアヴォクはアルヴェルの1.5倍近く売れているのだ。現行型は走りも中身も良くなったし、いろんな意味でミニバンのキングはノアヴォクなのではないかと思う今日この頃。ノア・ヴォクシーのスゴイところを改めて確認していきたい。
文:佐々木 亘/画像:トヨタ
【画像ギャラリー】ノアヴォクの凄さをチェック! アルファードの室内空間を比較してみよう これは過ごしやすいぞ!(16枚)画像ギャラリーボディサイズの違いほど室内の広さに差は無い
アルファードのボディサイズは全長4995mm×全幅1850mm×全高1935mmで、ホイールベースは3000mm。対してノアは全長4695mm×全幅1730mm×全高1895mmで、ホイールベース2850mmとなる。全長で300mm、全幅120mm、全高40mmの違いは、室内空間にどれだけの差を生み出すのだろうか。
アルファード室内サイズは、室内長3005mm×室内幅1660×室内高1360だ。対してノアは室内長2805mm×室内幅1470mm×室内高1405mmとなる。ボディ全長で300mmの差があったものの、室内ではその差が200mmまで縮まった。室内高に関しては、アルファードよりもノアの方が高いこともわかる。
取り回しのしやすいボディサイズや最小回転半径を維持しながら、アルファードよりも開放的な頭上空間を作り出すノア。室内に入って、その広さに驚くのは、意外とノアの方なのである。
上級モデルの証とも言える予防安全技術と走行支援はほぼ同等
昨今のクルマの実力を測る上で重要なのは「予防安全技術」だろう。良いクルマほど、良い安全装備がてんこ盛りになっている。
では、アルファードとノアの予防安全装備や走行支援はどこが違うのだろうか。
まずトヨタセーフティセンス。プリクラッシュセーフティはどちらも昼夜の歩行者・自転車運転者と昼の自動二輪を検知し、ミリ波レーダーと単眼カメラを併用するシステムだ。緊急時操舵支援(アクティブ操舵機能)やアダプティブハイビームシステムは、ノアがメーカーオプション扱いになるものの、装着できるものはアルファードと同じである。最新のプロアクティブドライビングアシストも付いてくるぞ。
その他に、ブライドスポットモニターやパーキングサポートブレーキ、トヨタチームメイトやパノラミックモニターも、ノアではメーカーオプションになるが、装着できるものはほとんどアルファードと変わらない。
アルファードの方が上級モデルだから、いい装備が付いているようだが、実際のところ安全装備に関しては差がほとんどないのだ。オプションながらも、それだけノアの装備が充実しているということになる。
手動でもいいじゃないか!2列目にオットマンが付けば極楽の場所
ミニバンのメインは2列目シート。アルファードのZグレードには、前後スライドやリクライニング・オットマンの操作まで電動化されたエグゼクティブパワーシートが付く。確かに豪華だが、ノアも負けてはいない。
快適利便パッケージHighを付ければ、2列目のキャプテンシートにシートヒーターとオットマンが搭載されるのだ。それぞれの動作は手動だが、リラクゼーション度合いはノアでも十分。
窓が小さくシートも囲われ感が強いアルファードは、どちらかというと個室的で、暗く閉鎖的にも感じる車内だ。対してノアは、アルファードよりもウィンドウエリアが広く、シート同士も開かれていて開放的。この明るさがミニバンらしい。
さらにサードシートの格納方法は、アルファードがバンドを使った固定なのに対し、ノアはバンド無しのワンタッチ跳ね上げだ。このあたりの機能性は、ノアが上である。
装備類に若干の差はあるものの、アルファードHEVのZは車両本体価格が635万円、対するノアはHEVのS-Zでも367万円である。ノアにオプションを載せて、アルファードに近しくしても400万円を少し超える程度。費用対効果で見ても、優れているのはノアだろう。
大きくて高価なだけがキングではない。今の王様は、フットワークが軽くスペックも高い人が多いぞ。今風の基準でミニバンを評価していけば、新時代におけるミニバンのキングは、ノア・ヴォクシーになるのでは。ノア・ヴォクシーは、全方位で隙が無い。
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